「赤面疱瘡撲滅」に
関しては
9・10巻がプロローグで
11・12巻が本編という
構成になっています。
そして何より最大の特徴は
11代将軍家斉の母、
治済(はるさだ)のサイコパスっぷりが
怖すぎる……。
青沼たちの人痘接種を
息子に受けさせ、成功すると
治済「これでもういつ田沼意次と
手を切っても何の後腐れも無うなった」
→意次の娘・意知を惨殺させる。
意次は本当に人格者で
人痘接種の成功を心から
喜んでいたのに……。
→意次失脚・大奥粛清。
赤面疱瘡撲滅への
大きな一歩が台無しに。
→10代将軍家治を毒殺。
意次がひたすら
可哀想すぎる展開です。
息子の家斉を11代将軍に
就け、自分が実権を握ります。
家斉は子沢山で有名なので
流石に女将軍にするには
無理があったのでしょう。
次の老中・松平忠信も
失脚に追いこむと、
家斉の子(=孫)たちを
退屈しのぎに毒殺。
我が子の死に動揺する御台や
愛妾たちに猜疑心を植え付け、
憎み合わせようとします。
そのため愛妾お志賀の方は
治済の忠実な手下となり、
御台は気がふれてしまうのでした。
家斉はそんな御台を見捨てず、
また赤面疱瘡撲滅のために
追放された蘭学者たちを
ひそかに集めようとします。
青沼の処刑後、大奥を出て
町医者になっていた黒木は
最初は拒否したものの
息子が生まれたこともあって
この業病をなくそうと協力する
ことに。
しかし彼らの努力も治済に
気付かれれば水の泡。
あちこちにスパイが
いるので、読んでて
ハラハラし通しでした
治済は怒ると目のハイライトが
すっと消えて真っ黒目に
なるのがめっちゃ怖い。
そして遂に知られてしまい、
家斉は殺されそうに……。
そこで衝撃のどんでん返しが!!!
詳細は言いません。ぜひ読んで
確かめてほしい!!すごいから!!
家斉は優しい人だけど
「可哀想な人」が好きだというのは
序盤から描かれてますね。
後を継いだ12代・家慶が
祖母譲りのエゴイストで
言いなりにならない娘や婿に
毒を盛る鬼畜野郎なのがまた
皮肉です。
続きはまたそのうちに。