この作品における江戸時代は
男が女の4分の一しかおらず
将軍が女、男の大奥ということを
除けば基本的に史実通りです。
鎖国は男の人口が極端に
少ないことを隠すためとか
赤面疱瘡で男子の跡取りがいないのを
利用して改易を進めるなど、史実が
うまく設定に組み込まれています。
また、農民や町人の会話を通じて
庶民生活の現状が語られます。
家光は27歳で死去し、玉栄たち側室は
仏門に入ることとなりますが
有功は家光の頼みで、娘である4代将軍
家綱を支えるため大奥総取締を続けます。
優れた政治家だった家光と違って
家綱は政治に興味がなく
その口癖から「左様せい様」などと
呼ばれるほど。
彼女が唯一、自分の意志をはっきりと
主張したのは育ての親も同然の
有功への愛の告白でした……。
有功はこれをきっかけに総取締の
座を降り、家綱は子を遺さぬまま死没。
5代将軍は家光と玉栄の娘の徳子で
綱吉と名を改め
出家した玉栄も桂昌院の名で
大奥に戻ってきます。
綱吉「退屈じゃ!!もう大奥の
男たちにはうんざりじゃ~!!」
綱吉は不満を訴えては桂昌院に
わがまま言うなと怒られて泣き、
桂昌院「あああ徳子!!
わしが悪かった!徳子!徳子!」
綱吉「父上~~~~~」
お馬鹿な仲良し親子という
コミカルなやり取りからの
側近の牧野成貞の屋敷に、綱吉が
能楽の舞台を見るという名目で訪れ
彼女の夫と息子を寝取るという
衝撃のシーンの落差がすごい。
全てを奪っておいて
牧野が隠居して去った後
「寂しうなった
成貞は優しうて お母上のようで
私は大好きであったに」
怖いよこの人……!!!
そんな綱吉ですが、御台所が側室候補として
呼び寄せた男・右衛門佐(えもんのすけ)が
運命の恋の相手となります。
右衛門佐は公家の出身ながらなかなかの
野心家で曲者。
綱吉の声がかかった時、年齢制限を盾に
側室を断りながら大奥総取締の座に
ちゃっかり就任。
将軍と寝ることなく、
一足飛びに大出世します。
続きます。