昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

よしながふみ『大奥』その3

この作品における江戸時代は
男が女の4分の一しかおらず
将軍が女、男の大奥ということを
除けば基本的に史実通りです。

鎖国は男の人口が極端に
少ないことを隠すためとか

赤面疱瘡で男子の跡取りがいないのを
利用して改易を進めるなど、史実が
うまく設定に組み込まれています。

また、農民や町人の会話を通じて
庶民生活の現状が語られます。

家光は27歳で死去し、玉栄たち側室は
仏門に入ることとなりますが

有功は家光の頼みで、娘である4代将軍
家綱を支えるため大奥総取締を続けます。

優れた政治家だった家光と違って
家綱は政治に興味がなく

その口癖から「左様せい様」などと
呼ばれるほど。

彼女が唯一、自分の意志をはっきりと
主張したのは育ての親も同然の
有功への愛の告白でした……。

有功はこれをきっかけに総取締の
座を降り、家綱は子を遺さぬまま死没。

5代将軍は家光と玉栄の娘の徳子で
綱吉と名を改め

出家した玉栄も桂昌院の名で
大奥に戻ってきます。

綱吉「退屈じゃ!!もう大奥の
男たちにはうんざりじゃ~!!」

綱吉は不満を訴えては桂昌院
わがまま言うなと怒られて泣き、

桂昌院「あああ徳子!!
わしが悪かった!徳子!徳子!」

綱吉「父上~~~~~」

お馬鹿な仲良し親子という
コミカルなやり取りからの

側近の牧野成貞の屋敷に、綱吉が
能楽の舞台を見るという名目で訪れ
彼女の夫と息子を寝取るという
衝撃のシーンの落差がすごい。

全てを奪っておいて
牧野が隠居して去った後

「寂しうなった
成貞は優しうて お母上のようで
私は大好きであったに」

怖いよこの人……!!!

(しかし一番怖いのはそう仕向けた
側用人柳沢吉保でした)

そんな綱吉ですが、御台所が側室候補として
呼び寄せた男・右衛門佐(えもんのすけ)が
運命の恋の相手となります。

右衛門佐は公家の出身ながらなかなかの
野心家で曲者。

綱吉の声がかかった時、年齢制限を盾に
側室を断りながら大奥総取締の座に
ちゃっかり就任。

将軍と寝ることなく、
一足飛びに大出世します。

続きます。

大奥 第4巻 (ジェッツコミックス)

大奥 第4巻 (ジェッツコミックス)