昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

寺沢大介『喰いタン』

喰いタン(02~)は大喰らいの探偵兼
小説家、高野聖也が恐るべき食欲と
鋭い洞察力、食に関する知識で事件を
解決するコミカルなミステリものです。

06年にテレビドラマ化しました。

ミスター味っ子』『将太の寿司など
グルメバトルでお馴染みの作者が
その食知識を活かして描いた推理漫画と
いうとすごく面白そうじゃないですか?
面白いです!!

「喰いしん坊探偵」でなく「喰いタン」と
四文字タイトルなのが00年代らしい……。

探偵学園Q39話で
(腐った食材で作っても)

「殺害現場の料理を味見する者はいない」
とありましたが、やってのけたのが
このお方。

殺害現場の食い物を貪るという
非常識極まりないことを平気でやるだけに
性格は極めて傍若無人で破天荒。

一流グルメから下町のコロッケ、ケーキ、
カップめんから犬の餌まで何でも食べます、

何か食べたいものを逃した場合は、子供のような
ダダをこねたり泣いたりします。

食事量も食いしん坊なんて生易しい
ものではなく、食欲魔人の域。

こういうタイプにはツッコミ兼驚き役が
セットなのがお約束です。

この作品では美人秘書の出水(いずみ)京子さんが
主にその役割。

事件現場には大学の後輩である緒方警部からの
協力要請、探偵としての依頼、
たまたま居合わせたりと導入部は様々。

彼がその場の食い物をがっつき出すと
当然怒られたりドン引きされます。

高野「殺伐としとるな」
灰谷刑事「殺人現場だあッ」

その後も食に関する質問を繰り返し、
食べ物を買ってくるよう頼んだりと
事件と無関係な言動を繰り返しながらも
必ず犯人に辿り着きます。

犯人や周囲の人々へのフォローなど
決してただの食欲魔人ではないことも
ちゃんと描かれていて

オチもつくけど、信頼されてる
理由もわかります。

殺人事件だけでなく、詐欺や嫌がらせの
類を解決するエピソードもあります。
(プロ犯罪者集団ってネタだけで一本
話作れそうですよね)

だいたい1話完結で長くても2話程度なので
どの巻から読んでも楽しめますよ。

喰いタン(1) (イブニングコミックス)

喰いタン(1) (イブニングコミックス)