大雑把に解説すると
作中の現代日本には
不老不死で日光に弱い
吸血鬼的な存在、
「オキナガ」がいて
人間と共存しています。
主人公はオキナガで
見た目は美青年の
雪村魁を探偵役に
厚労省勤めの人間の
ヒロイン・伏木あかりを
ワトソン役にした
ミステリーものです。
普段、魁はオキナガや
殺人事件の文献を集めた
私立図書館・
「按察使文庫」(あぜち
ぶんこ)で司書的な役割を
しています。
住まいもそこで、オーナーで
オキナガの薫子さんと
人間の老執事・実藤(さねとう)
さんと暮らしています。
6巻では内蔵を抉られた
女性の惨殺事件が発生。
魁のもとを訪れた
女性記者・須本美和は
12年ごとに起きる猟奇殺人、
「羊殺し」の事件と
類似していると言います。
詳細は伏せますが、犯人は
自分に疑惑が向かないよう
自分の立場を利用して
「羊殺し」にカムフラージュ
していたのでした。
よくぬけぬけと被害者遺族の
ところに顔出してたな……。
しかしオキナガやあらゆる
人を踏みつけた犯人は
その報いを受けることに。
この後の「映画俳優
毒殺事件」といい、
人間の悪意の方が
よほどえげつない……。
須本美和とほぼ同時に
登場したフリーライター、
谷名橋(やなはし)さんも
実にいいキャラです。
自称「殺人研究家」で
按察使文庫の常連さん。
殺人事件や殺人犯の知識を活かし、
魁の捜査や推理に協力して
くれます。
あんまり馴染んでるので
オキナガだったように
錯覚してしまいますが
ちゃんとご飯食べてるので
(あ、人間だった)ってなります。
※オキナガは普通の人間の
食事は、一口程度で
お腹いっぱいになる。
この巻ではあかりの実の祖母が
魁の幼馴染で「羊殺し」の
最初の被害者・棗(なつめ)で
あることも判明します。
ヒロインにしては珍しい
大柄な体格も太い眉毛も
祖母譲りという伏線でした。
『あ~る』のさんごとか
『パトレイバー』の野明とか
ゆうき作品はショートカットで
元気なヒロインの印象が強いので
太眉という個性も違和感なく
受け入れてました……。
続きます。