昭和の漫画では、カッコいいとか有能とかの
美男美女キャラはとにかく
ハイスペック要素盛り盛りで
構成されていました。
河惣益巳『ツーリング・エクスプレス』
(81~)だと、
主人公シャルルは天使のような容姿で
20歳過ぎても女装が似合い、
10か国語をこなし、弁護士
資格も持つICPOの刑事。
(河惣さんの今なお「スペックは山盛り
積むもの」手法はいっそ清々しい……)
『リングにかけろ』(76~)
剣崎順は財閥のお坊ちゃんで
ボクシングの天才、
女にモテモテで美女揃いの
ファンクラブが通称
「剣崎ガールズ」と呼ばれていました。
本人は菊姉ちゃん以外は目も
くれないのがまた素敵。
平成に入ると、キャラ造形に
引き算=ポンコツな面が
入るようになります。
読者の間のツッコミが雑誌や
ネットなどを通じて広まったため
あえてツッコミどころを作り、
そこに集中させてる印象です。
『テニスの王子様』(99~)
跡部はキザでイケメンで天才で
資産家のお坊ちゃんですが
読者のツッコミを逆手に取り
ネタキャラ扱いにしたことで、
伝説級の人気キャラに。
『銀魂』(04~)も土方さんの
極度のマヨラーを始めとして
「○○さえなければ
もっとカッコいいのに……」という
残念キャラばかり。
『仮面ライダーエグゼイド』(17~)
飛彩先生も超美形で大病院の
院長の息子で、本人も天才
外科医という完璧超人。
しかしコミュニケーション能力は不器用。
更にシュークリームから鯖味噌まで
ナイフとフォークで手術のような
手つきで切り分ける変な癖が、と
天然ポンコツな一面とのギャップが
愛おしいキャラとなっています。
(『うる星』の面堂や『めぞん一刻』の
三鷹さんなど、昭和の時点で
ポンコツ要素が入ったイケメンを
描いていた高橋留美子はやはり天才……)
何度か書きましたが『名探偵コナン』は
安室さん一人とっても
黒の組織の一員にして
公安のエリートで
表の顔は探偵
何でもこなせる盛りっぷりが
昭和のキャラ造形っぽくて
今見ると新鮮ですらありますね。
案外その辺が受けてるのかも……?