昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

竹本真(原作)/猪乙くろ(作画)『前略、雲の上より』

『前略、雲の上より』(17~)
新人リーマンの桐谷くんが飛行機と
空港を愛する上司、強面の竹内課長と
共に出張することになり、

その珍行動に振り回されながらも
だんだんと成長&感化されていく
コミカルな物語です。

世にも珍しい飛行機&空港を
紹介するマンガ。観光もちょっとだけ。

課長「旅をするために
飛行機に乗るのではない

飛行機に乗るために
旅をするのだ!!」

桐谷(……ただの無駄遣いじゃん)

強面の課長が力説するのを
桐谷くんが内心でこっそり
ツッ込みます。

馴染みのない専門用語や薀蓄を
紹介するタイプの作品は、
ボケツッコミの会話劇が最適ですよね。

桐谷くんは今時の、ちょっと意識髙い系の
若者でツッコミ気質。

課長は常に細身のサングラスに黒スーツで
一見強面なのに、待ち合わせの2時間前から
スカイデッキで飛行機の離着陸を眺める
濃厚なオタク。

桐谷くんを見込みある部下として
指導してくれてるはずですが

それ以上に飛行機オタクに育成
しようとしてませんか……?

有名スポットである千里川の土手で
徐々に近づいてくる飛行機の姿を前に

(お前が本物なら 心の中の不死鳥が
目覚めるのを感じるハズだ)

バトルものの師匠みたいなことを
言い出したぞ……!

課長にツッ込んでいくうちに
どんどん楽しくなってくる謎の高揚感……。

常識人のはずの桐谷くんが、徐々に
染まっていく変化も見どころです。

また周囲の人々もキャラが濃く、

「眠るために飛行機に乗る」
女性社員の繭田さんや

飛行機大好きな姪っ子を持つ
橋本さん、

飛行機の写真を撮るために旅をする
育山さんと、彼女が大好きな
菊坂さん。

鉄オタの渡さんなど
ゲストキャラ含めて強烈な人揃い。

羽田や南セントレア、伊丹、熊本、
松山、新千歳など日本全国あらゆる
場所の空港が登場します。

地元や何度も行ったはずの空港でも
(そんなとこあったんだ、知らなかった!)
と新たな知識が増えることでしょう。

外出もままならない現状ですから、
これを読んで旅した気分に
なるのもいいかと思います。