昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

武井宏之『仏ゾーン』

仏ゾーン(ぶつゾーン 97年)
現代日本を舞台に、仏像から人の姿になった
千手観音のセンジュが、仲間の仏たちと共に
弥勒菩薩の生まれ変わりの少女サチを護り
仏敵・魔羅(マーラ)と戦いながら
旅をするお話です。

仏ゾーン」は地上で活動するため
仏像の体を借りてる仏のこと。

第一話ではサチと祖父(住職)が
住んでる寺から立ち退けとヤクザに脅され、
ピンチの時に千手観音像から
センジュが現れ、助けてくれます。

センジュは大日如来の命令で仏の国から
来たと言いますが、サチは信じません。

センジュに撃退されたヤクザたちは報復に
重機で寺を潰し、センジュにも銃を向けますが

センジュの「天衣」(アーマー)が発動、
千手(せんじゅ)パンチでヤクザの親分の
乗る重機を粉々にするのでした。

(その後ヤクザたちは改心して
新たに寺を寄進し、坊主になる)

千手観音はその数多い手で
「もれなく救う」仏。

敵であっても赦し、慈しむことを
最後まで貫きます。

その後センジュとサチは地蔵菩薩
ジゾウくんや馬頭観音のバトウ、
狛犬のコマと共にインドを目指して
旅立ちます。

ジゾウくんの声が田中真弓さんで
再生されるのは私だけではないはず。

バトウ兄さんのモデルが『デスペラード
アントニオ・バンデラスなのが
時代を感じます。

勿論、魔羅たちが妨害しないはずもなく
あちこちで襲われるだけでなく

仏のはずのアシュラ以下、
天竜八部衆までもが刺客となります。

お地蔵さんそのままのジゾウアーマーと、
肩にウォーズマンがついてるアシュラ
アーマー、どっちからツッ込むむべきか……。

天衣と書いて「アーマー」を纏った仏が
戦う話と言うと『聖闘士星矢』や
天空戦記シュラト』を思い出す人も
多いかもしれません。

シャーマンキング』より前に描かれた
作品ですが、既にほんわかしつつも
哲学的な武井ワールドが垣間見えます。

また、この作品にはイタコのアンナも登場。

※『シャーマンキング』ヒロインとは別人。

3巻で終わるには惜しい良作でした。