昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

佐藤マコト『サトラレ』その2

サトラレは日本には13人、海外にも
いるという設定です。

その性格も環境も人それぞれ。

どうせ本音が漏れるならと、何でも
思ったことを口にするよう育てられた
明るいドジっ子のサトラレ娘・りんが
将棋の棋士を目指すが叶わず、別の目標へ。

幼い頃から医師を希望していて才能も
あるのに、簡単な手術しか任せてもらえず
悩む天才医師の里見先生。

(なんでよりによってその職業目指した……)と
ツッ込みつつも、優しく人間味に溢れた人々が
ほとんどで、SPも親身になって護ります。

りんは棋士の道を諦める際、将棋名人と
恋愛フラグが立ちます。

サトラレでなくても素晴らしい観察眼で
達観している名人の器の大きさよ……。

里美先生の理解者・東先生や
りんの父親、SPの木下さん、
サトラレの星野さんと結婚した
元女優の奥さん、

サトラレ少年の浩くんを救った
親友のみつおくん、

友人をいじめ殺そうとした相手に
怒りと敵意を振りまくサトラレの生徒・

大槻くんを人殺しにしないために
高所から飛び降りた藤原先生、

みんないい人たちです。

しかしサトラレを嫌う人もいるし、
悪意を周囲に振りまくサトラレ
どうするかという問題も描かれます。

自分はサトラレではないのかと気に病む
一般人や、サトラレの思念波が伝わらない
「サトレズ」など、様々な人がいます。

サトラレ保護法ができる前に生まれたせいで
周囲から傷つけられ、孤島に住んでいる
白木さんのエピソードがつらい……。

私だって、自分が考えてることが周囲に
全部ダダ漏れなんて知ったら
二度と離れ孤島から出ませんよ!!

孤独の絶望と常に隣り合わせでも
人のために何かしようとする彼に
幸せが訪れますように……!!

白木さんを踏みにじったサトラレ嫌いの
山田教授が、別のサトラレにとっては
救いの主でもある展開もいい。

サトラレに対しての付き合い方は

「思っていることを率直に伝える」
「あえてウソをつく」の二種類ですが

人間関係を円滑にするためには
どうすればいいのか、色々考えさせられる
お話です。

サトラレ(3) (イブニングコミックス)

サトラレ(3) (イブニングコミックス)