昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

佐藤マコト『サトラレ』その1

サトラレ(99~)は人の心を読む
妖怪サトリの逆で、他人に考えが筒抜けに
なってしまう特異体質「サトラレ」の
物語です。

主人公の「サトラレ」は一人ではなく、
複数のサトラレとその関係者による
個別のエピソードが描かれます。
(全体としてはゆるく繋がっている)

01年実写映画化、02年にTVドラマ化
しました。

前提としてサトラレはその厄介な体質と
同時に、例外なく天才的な頭脳の持ち主。
一千万人に一人の確率で生まれます。

彼らの人権と才能を護るため、
シークレットサービスがついていたり
周囲の人がサトラレであることを
バラしたりしないよう法整備もされています。

※そうなった経緯は後に明かされます。

第一話で主役格の「サトラレ」西山幸夫の
言動を通じてサトラレがどんな存在なのかが
描かれます。

本人は思念波で考えが周囲に伝わっている
ことは自覚していないので
胸の大きな女性に欲情したとか
憧れの女性への言い出せない想いなど
心のままに呟きます。

(思念波は周囲50メートル程度届く)

人々は承知の上で無視を貫きますが
恋煩いが研究の妨げになるならいっそ
失恋させようと、お膳立てをはじめます。

友人役の女性SP、小松洋子は
あんまりだと抗議しますが……。

一切ウソがつけないサトラレと、
彼らのプライドと人権を護るために
本人に知られないようウソで固める人々との
やり取りやギャップは時にコミカルで
時にほっこりします。

小松さんは西山幸夫に感情移入するうちに
二人の間に恋が芽生え、彼と結婚。
生まれた娘・光もまたサトラレでした。

二人を会わせることができないので
西山は単身赴任となり、
同僚の友人夫婦が自分たちの娘を
身代わりに立てたりと協力してくれます。

しかし西山の研究成果が出れば自分たちの
利益が損なわれると、殺し屋が差し向けられ……。

親子サトラレの完全なる知識伝達の
シーンが美しくも切ない。

なんとも悲しいオチややりきれない話も
ありますが、基本的には人間の善意や
希望が描かれます。

続きます。

サトラレ(1) (イブニングコミックス)

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