昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

平野耕太『ドリフターズ』その2

ドリフターズの魅力の一つはキャラクター。
どいつもこいつも強烈で、その中でも
突出して濃いのが主人公のお豊。

口癖が「首おいてけ」の薩人マシーン。

薩摩弁なのは素朴さとマイペースなキャラ立て
効果もあるのでしょうが、めっさ可愛い……。

常に死と隣り合わせの戦国武将が
普通の人間と感覚が違うのは当然とはいえ

お豊の「自分の命を放り投げて突進する」
行動はやはり頭がおかしい。

しかし決して猪武者ではなく
敵の力量や突進のタイミングを見極める
冷静な判断力もある。

「徹底して空気は読まない」と言われてますが
下手に読んで相手に呑まれるくらいなら、
度肝抜いた方が戦には有利でしょうね。

だからって初対面でジャンヌに
「お前は男か 女か」と
特大の地雷を踏み抜かなくても……。

(勿論あのジャンヌ・ダルクです)

個人的にはドワーフたちを救出した回で
飢えている彼らに食事を与え、敵に対して

「今、飯ば食うちょる」

 「今逃げんと 飯ばすんだら
皆殺しになっど」

食事中という「隙」をあえて相手に伝えることで
猶予を与えているような余裕を見せる。

敵は完全に恐怖に駆られてしまいました。

与一も感心してましたが
これはお豊の指揮官としての有能さが
際立つエピソードです。

なお敵の指揮官には「腹を切れ、介錯してやる」
そんな慣習のない相手が拒否すると

「腹召す器にあらず」とバッサリ
首を切り落とす身勝手さ。

それでいて逃げた兵士たちを追い討つ必要は
ないと与一に釘を刺す。

お豊「助けるち言うた 違えば無しじゃ」

与一「つい昔のクセで……
そんな事ばっかりやらされてたんで……」

お豊「もうやらされば無か 
こいは我らの戦じゃ」

(意訳)「もうそんな嫌なことはしなくていいんだ」と
言われた与一の表情が実にいい……!!

めちゃくちゃな言動なのに優しい一面も
賢いところも見せる不思議な男、お豊。

ヒラコ―節の台詞回しも最高で
とにかく大好きです!!

でもつきあわされるお師匠様には同情するネ♪

まだまだ語り足りないですが、また後日。

ドリフターズ 3 (ヤングキングコミックス)

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