昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

河惣益巳『ツーリング・エクスプレス』その1

『ツーリング・エクスプレス』(81~)
ヨーロッパを舞台に、ICPOパリ本部の
青年刑事シャルルと、凄腕の殺し屋
ディーン・リーガルとの禁断の恋を描く
ハードボイルド風少女マンガです。

ヨーロッパ共同体がECで、主な悪役が
KGB赤軍テロリストの時代です。

※EU誕生は93年

二人の出会いは第一話。

スイスに主張中のシャルルは
帰りの列車の切符が二重売りになっていたため
先に乗っていたディーンと同じ部屋で
過ごすことに。

シャルルは実は囮(とは知らされず)で、
彼が持つマイクロフィルムをエサに
犯人をおびき出す作戦でした。

偶然乗り合わせていたディーンは
犯人逮捕に協力し、見事な銃の腕を見せます。

それを知ったシャルルの上司兼養父のエド
青くなって正体を教えるオチでした。

以降、シャルルとディーンはどこへ行っても
偶然顔を合わせるようになります。

シャルルは金髪碧眼、女装も違和感なしで
天使のようと言われる心優しい美青年。

戦闘力は今一つでも頭脳は明晰。

ただしよく迷子になってはディーンに
助けられてましたが……。

ディーンは長身で銀髪に暗い蒼の瞳の
北欧系美形。あと両刀使い。

傲慢で気難しい男ながら、シャルルには
優しい顔を見せてくれます。

シャルルはディーンが殺し屋と
分かった後も無邪気に慕い、
一緒に出歩いてはエドに怒鳴られます。

出張中の刑事がのんきに観光してる
場合かというツッコミは野暮というもの。

まだネットもなく、海外旅行が珍しい時代
シャルルの視点を通じて、当時の読者は
憧れの世界を楽しんでいたのです。

パリ、スイス、オランダ、ソ連、ドイツ、
スペイン、イタリア、香港(当時英領)、トルコ

クルーザーで過ごすクリスマスとニューイヤー、
モナコのカジノにF1、カード占いのジプシー娘……。

ヨーロッパのロマン溢れる夢を
フリルと花で飾りつけて魅せてくれたのが
この作品でした。

エドとフランが結婚式を挙げたのは
ノートルダム寺院でしたね……(泣)

 続きます。