プレーボーイは大抵、一途な愛を捧げる男の前に
敗北する当て馬の役どころですが
例;前原滋子『恋のA級ライセンス』
純情なヒロインに心打たれ、プレーボーイを
返上した場合はハッピーエンドも可能です。
例;神崎順子『プレーボーイなんてこわくない』
そもそも当時の読者層が小~中学生の
恋に恋する少女たちであることを考えれば
強引にでも恋愛感情をぶつけてくるプレーボーイは
異性を意識させ、ドキドキさせてくれる存在であり
メタ的には話を進めたり、引っ掻き回す
便利なキャラでもありました。
そんなプレーボーイたちも、現代日本が舞台の
学園ものが増えていく80年代には消えてしまいます。
日本人の学生という設定だとどうしても
恋多き男は似合いませんからね……。
本人は良くても、修羅場になる予感しかしないし。
もちろん「ヒロインに強引に迫る男性キャラ」や
「単なる女好きキャラ」自体は
少女マンガに限らず、今も昔も健在です。
しかし、①学校中の人気者であり②女の扱いを心得ていて
③時に強引でも、スマートな振る舞いもできる
④実際に女をとっかえひっかえしている描写がある
⑤ナルシストもしくはキザキャラが多い
この条件にあてはまるキャラはいるでしょうか?
最後に残ったメジャー作品のプレーボーイは
『有閑倶楽部』の美童グランマニエでしょう。
スウェーデンとのクォーターで、腰まである長い
金髪で女顔という、日本人離れというか
浮世離れした容姿のキャラです。
強引に迫るタイプではなく、むしろ紳士的に
口説くし、モテるためにスポーツなどの努力は
惜しみません。
近年の連載だと、ホストやキープのような便利な
扱いを女性からされることも……。
番長やスケ番、権力者の生徒会長のような昭和の
マンガの定番の一つでありながら、誰よりも絶滅が早かった
「プレーボーイ」
壁ドンのシーンを見るたびに彼らのことをしみじみ
思い出したり……はしませんけども。
とりあえず、トキメキをありがとうと言っておきます。