昭和の頃は今より校則が厳しかったこともあり
マンガの中にも取り締まり役の「風紀委員」が
よく登場しました。
美内すずえ『聖アリス学園』(76)では
一般生徒には厳しく、
「貴族」と呼ばれる一部のエリートの
違反は見て見ぬふりの嫌な奴らとして描かれ、
こいわ美保子『真夜中のシンデレラ』でも
ハーフの瑠璃の髪を「こんなに赤く染めちゃって……」と
絡まれるシーンがあります。
だいたい敵役か、真面目すぎて融通の利かない
キャラとして描かれており、
徳弘正也『シェイプアップ乱』(83)では
長髪の左京くんがセーラー服を着て髪を
結んでいたら検査する風紀委員がスルーで、
ハゲの先生に「剃りこみは禁止」と
ダメ出しするギャグ場面がありました。
作品中で重要なキャラとして描かれているのは
蛭田達也『コータローまかりとおる!』(82~)
で、
ヒロインの渡瀬真由美とライバルキャラの
天光寺輝彦が風紀委員で、コータローの
長髪を切ろうと年中追いかけ回していました。
こちらは巧太郎の方がフリーダムすぎる
キャラなので、この二人がツッコミ役も
兼ねています。
風紀委員でなくても『あいつがHERO!』では
教師がジョーの髪を切ろうとハサミを
振り回すシーンがあり、
当時生徒の人権など髪の毛ほどもなかった
ことが伺えます。
平成以降はあまり髪型・服装でうるさく
言うことはなくなりましたが
マンガの中では風紀委員は健在です。
『勇者司令ダグオン』(96~)では
メインキャラの一人・広瀬海が学園の風紀委員長で
常に竹刀を持って生徒たちを取り締まっていました。
『家庭教師ヒットマンREBORN!』(04~)の
雲雀恭弥はトンファー使いの風紀委員長兼不良。
「噛み殺すよ」が口癖の
戦闘狂キャラとして描かれており、
『下ネタという概念が存在しない退屈な世界』
(12~)の風紀委員兼アンナ会長の護衛、
月見草朧は自分の意志を持たないような機械的な
キャラとして描かれました。
日教組の管理教育が逆手に取られ、面白いマンガや
キャラがこの世に生まれたのかと思うと
実に痛快ですね!