昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

佐々木倫子『動物のお医者さん』その2

動物のお医者さんには魅力ある
キャラが揃っていて

主人公・ハムテルはツッコミ役の常識人枠。

とはいえだいぶマイペースな人で、

「じいさんっぽい落ち着き」と漆原教授に
ノローグで評されています。

顔は怖いけど温和な性格のチョビとは
相性ピッタリで、漆原教授は流石に慧眼です。

ハムテルの言動に対してのツッコミは
同級生の二階堂の役回りです。

ハムテルが表情や言葉に出さないため
代わりにリアクションしているのかも。

獣医を目指しているのに極端なネズミ嫌い。

嫌いすぎて教科書のマウスの写真に
「私はリス しっぽをそられたの」と
書き込むほど。
(しかもページはテープで閉じてある)

「まさか受かるとは思わなかったんだ」
「なら第一志望に書くなよ」

とのやり取りで済まされましたが、
人生の重要な選択がそんなノリでいいのか……?

ドラマ版二階堂は要潤で(学ラン姿以外)素晴らしくハマってました。

ハムテルのおばあさん、西根タカさんも
濃いキャラです。

いつも着物姿で趣味は園芸、三毛猫の
ミケを可愛がっている上品なおばあさんなのに

ハムテルを振り回すフリーダムなところがあり
たまに困ることがあっても

(孫が獣医学部に受かったと言いふらしてたら
卵の詰まった文鳥を持ち込まれた)

本当になんとかした挙句に調子に乗っちゃうあたりが
すごいキャラだ……。

 ミケのセリフは関西弁で書かれるのが
不思議と似合っていましたね。

猫たちの間では「姐さん」キャラで通っていて

誰にでも噛みつく猫・ガブリエルが
ミケの元に行儀見習いに来た回など、
猫や犬が主役のエピソードも多数ありました。

基本的にはチョビとミケ、凶暴ニワトリの
ヒヨちゃん、スナネズミ一家と西根家ペットの
出番は多いですが

ハムテルの同期・清原くんの犬の平九郎や

「オレはやるぜ」でお馴染み、犬ゾリ話に
登場するハスキー犬のシーザーなど

他にも多数の動物やエピソードが登場します。

今見ても十分面白いので、世代でない人も
動物好きにはぜひ読んでほしい名作です。