松の内なのでお正月話を。
念のためあらすじ:
感受性の強い10才の
女の子、的場知世ちゃんと
イケメン作家のお父さんの
ほのぼの日常話。
この話のメインは、数少ない
男性レギュラーキャラの
若手作家・宇佐見さん。
初登場からチャラい
女好きで、作品も本人も
軽薄なんて言われますが……。
宇佐見(正月はきらいだ
おめでとうなんて
言うもんか)
宇佐見さんのモノローグから
はじまって、知世ちゃんと
お父さんは年末の大掃除中。
お父さんの妹・ゆりこ
ちゃんや、担当編集の
北原さんもお正月の
準備中。
宇佐見さんと秘書の
潮田さんとの会話から
・資産家のお坊ちゃんだが
崩壊した家庭に育って
トラウマ持ち。
・正月は特に苦痛だった
ので、実家に帰らない。
という事情が読者に
説明されます。
宇佐見「いつもの生活
そのままで この時を
やり過ごすんだ」
笑顔でそう話す宇佐見さん。
一方、的場家には知り合いから
大量のお餅が届いて
宇佐見さんのところにも
「お餅好き?」と電話が
かかってきます。
電話に応じて来たのは
女友達と温泉に行くはずが
相手が風邪でダウンして
キャンセルになった
ゆりこちゃんと
お正月は一人で読書と
決めてる北原さん。
北原「あたりが静かなので
とても集中できるんです
至福の時間」
宇佐見「ほー」
(基本、女性には軽口叩く
タイプなのに、感心する
だけで終わってるのがミソ)
北原さんが作ってきて
くれたおせち料理や
的場家のおせちの残りも
含めておもちパーティ。
あちこちで和やかに
会話が繰り広げられる中
ふと呟きます。
宇佐見「……何ていうか……
……なんだか……
お正月みたいだな」
帰り際、少しだけ
心が穏やかになってる
宇佐見さん。
大人になっても子供時代の
「お正月は家族で楽しく
すごさなくてはならない。
たとえ嘘でも」
という固定観念に囚われて
いたことに気づいて、
心が軽くなるお話です。
「一人でも楽しくすごしていい」
のは、連載が昭和の頃からの
本作の特徴。
時代が本作に追いついた
感がありますね。