9話目の「ブック
コレクター」は
童話作家の早蕨(さわらび)
春子さんが本を探す話。
(ココハナ版9巻登場)
冒頭、春子さんは執筆中に
「今書いてる話、昔
自分が読んだものでは……」
という感覚に捕らわれます。
編集の北原さんに頼んで
その本を見つけてもらおうと
しますが、
タイトルも作者名も
わからず、表紙の色など
記憶の断片だけ。
そこは敏腕編集の北原さん、
「子供の本に特化した
すごい店主がいる」
古書店に案内して
くれます。
知世ちゃんも前から
興味があったと飛び入り。
細長いビルの最上階に
あるその古書店は
天井まで届く本棚が
ずらりと並び、
謎めいた帽子の
老婦人店主がいました。
連絡してあったのか
探してる本を既に
手にしている店主。
おいくらですか、と
春子さんが訊ねると
「これが最後の一冊
だから」ここで読んで
いって、と言われます。
どうして最後とわかるの?と
いう知世ちゃんの質問に
店主「孤独な気配が
するんですよ」
子供たちから忘れられ、
捨てられ、仲間を
失った最後の一冊……
仕方がないと言いつつも
「でも誰の記憶からも
消え 手に取った本の
この重さもなくなって
しまったら
最初から何も存在
しなかったことに
なってしまう」
しかし無限に収納できない
のは、どんな大きな
本棚でも同じこと。
知世「宇宙は広いから
きっといいかんじの
惑星もある
そこを図書星にするの
いいでしょ!」
知世ちゃんが店主と
そんな話をしてる間に、
本を読み終わる春子さん。
幸い記憶かぶりでは
なかったので、そのまま
書き進めることに。
店から出た後の
春子さんのモノローグ、
店主の言動に自分と
似たものを感じながら
作家としての決意が
語られます。
忘れられることを
恐れているけど
それさえもエネルギーに
換えて書き続ける、
幼い読み手たちが
全て忘れたとしても
その微笑みは
春子(私の胸で
小さな小さな
星のブローチになって
ささやかに
輝き続ける
きっと)
ここで終わると切なさ
多めの話になるので
ラストに知世ちゃんの
「惑星まるごと図書館」の
妄想でほっこりさせるのが
またいいんだ……。
続きます。