昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

鯨庭『言葉の獣』その2(1巻感想続き)

第二話でやっけんは
東雲さんをTwitter
誘って、嫌がられます。

創作を公開できるし、
言葉で溢れてる場所だと
説得しますが

「……ツイッター
言葉の樹海みたいな
場所だよ」

実際に行ってみると
熱帯のジャングルのような
光景が広がっていました。

大量にいる鳥の一つが
アカウントで、

「バズリツイート
獣」の目がすごく
輝いている……。

そしてツイッター内には
攻撃的で悪意に満ちた
「獣」も潜んでいました。

そのうちの一体、
「誹謗中傷の獣」が突然
東雲さんに襲いかかって
きます。

去って行く際の呟きは
「さびしい」って言ったの
かな?

やっけんのアカウント内は
綺麗な情景でした。

具体的に書くと湖の中の
小さな浮島にコテージが
あって、

室内もキレイに
整ってます。

自分のSNS=心の内側を
具体化した光景って
見てみたいですね。

ただのオタ部屋な気もしますが。

湖の中にはやっけんの
「詩の獣」が棲んでいました。

スケッチする東雲さんと
獣を前にしての、やっけんの
台詞が魂の叫びすぎる……。

長めですがあえて引用します。

「何気なく呟いた言葉が
偶然一篇の詩になることは
美しいけど

美しいものの輪郭を見たくて
詩を書くことだって慈しむ
べきなんだ

それなのに詩を書くことを
馬鹿にする風潮はどこまでも
消えない

でも何かを言葉で
掬いたいなら
臆せず書かなければ
ならない」

1話序盤にもやっけんが
好きな現代短歌をノートに
書いてるのを見つかって

「そんなん読んでんの!?
中二病かよ」

って言われて凹む回想
シーンがあります。

なんで詩が「バカにしていいもの」
カテゴリにあるのか私も
納得できない……!

70年代少女漫画では
有名な詩がセリフや
ノローグで引用されて
いたのにね……。

やっけんと東雲さんには
言葉の世界を突き詰めて
いってほしいものです。

あと子犬ケルベロスの姿で
二人に合流したやっけんの
フォロワー、

「バンケンさん」が
何者かも気になります。

言葉へのこだわり繋がりで
本作好きな人は『Papa 
told me』とも相性がいいかも。