昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

青池保子『修道士ファルコ』その1

『修道士ファルコ』(92~)
14世紀後半のスペインと
ドイツの修道院を舞台に

ある事情から剃髪を禁じられた
元騎士の修道士ファルコが
アクションにミステリーにと
活躍する物語です。

活劇メインなので
キリスト教や中世ヨーロッパの
歴史や文化を知らなくても
問題ありません。

修道士はザビエルのような
カッパ頭が掟ですが、
主人公がそれではあまりにも……
というメタな事情。

作中では頭を剃ると鮮やかな
キスマークのようなアザが
露出するため、他の修道士を
惑わせるから禁止となってます。

そんな設定なので基本は
コミカルな雰囲気です。

修道院は鏡がないので
ファルコ本人はどんなアザ
なのか知りません。

第一話の舞台はスペイン。
(当時はカスティリア王国)

ファルコがナバーラ王家
出身の騎士であること、

真面目で勤勉な性格と
頭を剃れない事情、

元騎士で剣の達人でしたが
戦いは罪と悲しみを生むと
気付いて剣を捨てたという
過去が描かれます。

同作者『アルカサル─王城─』
主人公、ドン・ペドロが
ゲスト出演。

(というか本作がスピンオフ)

部下たちが気を使って
負けてしまうため

真剣勝負の相手を求めていた
武闘派のドン・ペドロ王と
剣で互角に渡り合います。

(王に剣を投げられて)

ファルコ(ああ……剣を
取ってしまった!)

聖母マリア
お許しを……!)

剣を捨てても、戦いになれば
騎士の血が滾ります。

互角の戦いが続きますが
王が途中で井戸掘りの
穴に落ちたので
勝負は中断。

王は戦いのお礼にと
ファルコの望みである
水道を引いてくれます。

事情を知る修道僧からは
忌まわしいアザだと
言われてたのに

ドン・ペドロ「きみの
恋人がここにいると
思えばいい」

「大事な恋人は
隠しておくものだ」

なお「修道僧の恋人は聖母マリア」→
聖母のキスマークだ!という
粋なオチになっています。

第二話ではドイツに舞台が
移ります。

ファルコの望みは剣を捨て、
神に仕える平穏な暮らしなのに

修道院でも彼の剣や腕っぷしの
強さをあてにされる事件
ばかり起きるのでした……。

折角だから続きます。