『風のように雲のように』(90年)は
酒見賢一の小説『後宮小説』を原作に、
一話完結で作られたTVアニメです。
大雑把なあらすじは中国っぽい
架空の国・素乾国が舞台。
皇帝の死によって息子が新帝と
して立ち、役人たちは後宮に入る
若い娘を募ります。
主人公の平民の少女・銀河は
「三食昼寝つき」と聞いて立候補。
動機をそのまま話して面接の役人を
絶句させますが、何故か合格し
帝都へ連れて行かれます。
銀河は集められた個性的な美女たちと
共に、後宮内で学問を学ぶことに。
貴族の娘で気取り屋のセシャーミン、
マイペースな才女で異民族っぽい
コウヨウ、
凛々しい武術の達人タミューンなど
トータルすれば出番は少ないのに
印象深いキャラ達です。
悪役ですが三ツ矢雄二さん演じる菊凶先生も……。
銀河は後宮内でタミューンにそっくりな
謎めいた麗人、コリューンと出会います。
実はコリューンこそが新皇帝で
生さぬ仲の皇太后に命を狙われて
いたので、後宮に潜んでいたのでした。
(タミューンとは姉弟)
銀河が後宮に上がれたのも、
正妃に選ばれたのも
その辺の事情から。
中央が後継者争いをしている間に
不満を溜め込んだ軍人たちが
地方で蜂起するのはもはやお約束。
反乱軍はあっという間に膨れ上がり
遂に帝都、後宮へと押し寄せ……。
実は反乱軍の親玉は銀河の知人の
おじさんでした。
銀河は彼の手を借りて脱出できましたが
コリューンは自害し、国は滅亡。
最後の逢瀬で銀河とコリューンは
初めて結ばれており、その子が将来
国を興すことがナレーションで
語られます。
1時間20分しかないので話は
駆け足ですが、その分暗くもならず
コミカルなシーンも多いので
楽しめる良作です。
アニパロコミックスでも確か七変化
さんがパロ描いてたような。
ちょうど我が家にビデオデッキが来た頃で
色々録画しまくってたのが幸いしました。
春分の日の昼間のスペシャル番組でしたね……。