平成に入ってもマンガの中での
喫茶店・カフェの役割はそう変わらず
『名探偵コナン』(94~)に
登場する喫茶店「ポアロ」は
小五郎さんのご飯だけでなく
安室さんの表の顔も提供していますね。
『東京喰種』(11~)の昭和レトロな
喫茶店「あんていく」は、喰種が密かに
集う助け合いの場も兼ねていました。
ヒガアロハ『しろくまカフェ』(06~)は
文字通りのしろくまくんが店長で
お客さんは人間も動物もいます。
池辺葵『サウダーデ』(11~)は
「郷愁」という意味のカフェ
「サウダーデ」を経営する女性、
芳野さんが主人公。
『繕い断つ人』とリンクしており、
そちらの主人公、市江さんと
似たもの同士の親友という設定です。
清水ユウ『鹿楓堂(ろくほうどう)よついろ日和』
(13~)イケメン店員たちが働く和風カフェ。
他にも多数、カフェそのものが
メインの漫画も増えます。
カフェのイケメン店員たちと恋する
乙女ゲーム
『Cafe Cuillere
~カフェ キュイエール』など
その他ラノベまで含めると膨大な数に。
しかしメイドカフェや執事喫茶、
猫カフェなど飲食以外に重点を置いた
カフェの登場など、昭和の頃、
一体誰が予想したでしょうか……。
「食事・食べ物マンガ」が流行った
こともありますが
「ほっこり」というキーワードが
平成のカフェには欠かせない印象です。
(昭和だとメルヘンなポエムがついてくる)
食事やお茶の時間は確かに幸せなひと時ですが
それがメインのマンガが増えたのは
不景気ゆえに金のかからない楽しみを
模索した結果なのか、
メディアが扇動する贅沢に惑わされず
日常のささやかな喜びを求めた結果か……。
それは読者が判断すればいいことですね。
関係ないですが「昭和の喫茶店」と言うと
緑色のクリームソーダ+バニラアイス
+真っ赤なチェリーも欠かせません。
でもクリームソーダと聞くたびに
「私はクリームソーダ。
略してクソしか飲まないの」
という『お父さんは心配症』の
緒方ひろみの台詞が何故か脳内再生
されます……。