昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

獣木野生『PALMシリーズ』その1

『PALMシリーズ』(パーム 83~)
80年代のLAを舞台に、元医者の探偵
カーター・オーガスとその助手、
ジェームス・ブライアンを中心とした
アクションありオカルトありの
壮大で濃密な物語です。

元のPNは「伸たまき
「ウイングス」最長連載作品です。

CIAが暗躍し、タイプライターが現役の
時代と言うと大昔のことのよう……。

エピソードごとに独立した話になっているので
キリのいい巻からなら、どこから読んでも
大丈夫です。

ただし作品の雰囲気は章によって違い
張り詰めたシリアスもあれば、ラブコメ
全編陽気なノリで話が進んだりします。

とりあえず頭に入れておくべき設定は

・ジェームスは天才で養父はマフィアのボス。
攫われたりムショ暮らしだった過去から、
警察やCIAに彼を危険視する一派がある。

・ジェームスとアンディは24時間以内に
触れ合う距離にいないと、ジェームスの
方が体に異変をきたす。

(出会う前はしょっちゅう原因不明で
倒れていた)

・アンディが傍にいるとジェームスは
人間を超える能力を発揮できる。

それを邪魔するものはハイジャック犯だろうと
マフィアだろうと排除する、そんな話が
序盤で描かれます。

※ホモではありません。そういう体質なのです。

また、アフリカ育ちの風変りなアンディが加わった
ことで、アンディと(下宿人)アンジェラの
通う高校も舞台となり、話が広がりました。

ジェームスは長身で黒服、無表情、
頭脳・腕力共にチートですが
どこかとぼけた性格で

(車に発信機をつけられていたのに
気付かなかったことを指摘され)

ジェームス「アンジェラ君 わたしも人間だ
それはわかってくれるね」

アンジェラ「都合のいい時だけ
人間になるつもり?」

(発信機を破壊して)

ジェームス「さあ過ぎ去ったことは忘れて
今日をせいいっぱい生きようじゃないか」

アンジェラ「こいつが生きのびてこられた
わけが わかった気がするわ」

軽妙なやり取りが実に魅力的ですが
ジェームスの過去は気の毒すぎる……。

次回に続きます。

パーム(41) TASKVI (ウィングス・コミックス)

パーム(41) TASKVI (ウィングス・コミックス)