3人が召喚される世界は男と女が分かれて
暮らしており、
天国と地獄、ソドムとゴモラなど
名前はそれぞれですが
常に仲が悪いため、ふとしたきっかけで
戦争になるのがお約束の流れでした。
変態だらけの世界でも、常識人の美形もいて
ヤマトタケル、森蘭丸、アポロ、シンドバッドや
高杉晋作、ジークフリートなどそれぞれ魅力ある
キャラでした。
※例の黒髪アラブゲリラはシンドバッドです。
別の名前などありません!!!!(強調)
毒薬マニアの「端役」の正体に大分後になって
気づいた時はあれがアハ体験か!と思いました。
アポロとヒースが一緒にピアノリサイタルを開くも
音楽の趣味が合わずケンカになった後、
ラストに互いの好きな曲を別の世界で弾く場面は
認め合う感じがたまらない名場面です。
しかし70年代に主役格のイケメンの特徴に
「胸毛」ってのも画期的すぎる……。
あと常にさらわれる立場だったジャスティンが、
ソドムとゴモラ編では一人バージルを助けに行く
エピソードも好きです。よく頑張った!!
このハチャメチャな世界と同時進行で
『エロイカより愛をこめて』が生まれ、
(ここまではわかる)
更にどシリアスな『エル・アルコンーー鷹ーー』が
連載されてたとか、青池先生の頭の中は
一体どうなってるんだろう?
『エロイカ』のジェイムズくんに
ヒースが振り回されたり
少佐とバージルの目力合戦の果てに、
バージルが動物園のゴリラを相手に特訓して
「ゴリラおとし」と呼ばれるようになります。
3作のキャラが一同に会するお話もあるのですが、
ニジンスキーが間近にいても動じない
ティリアンすごい……。
しかし一番すごいのは、これだけ悪ふざけを
詰め込んだ世界を描いてさえ、
古今東西の歴史・文学・詩などに精通していることが
わかる青池先生の知識でしょう。
24年組辺りの大ベテランたちの
ボキャブラリーや台詞回しの素晴らしさは
やはり優れた古典教養がしっかり身についている
からではないかと思うのです。