昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

青池保子『イブの息子たち』その1

『イブの息子たち』(75~)は、
人気歌手のジャスティン、詩人のバージル
ピアニストのヒースの三人が
男だけの異世界に召喚されて大変な目に遭う
ドタバタコメディです。

一言でいうと
華麗なるカオスの極み

ジンギスカンと大仏が合体し
聖徳太子が札束を飛ばし、

(※当時の一万円札は聖徳太子だった)

北条政子が巨大化して尼将軍ならぬ
アマゴジラと化し、

ヤマトを思わせる宇宙戦艦ムサシの
エプロンの下には大仏の巨大唇がついている……。

本当にこのままなんです!!

序盤、ある日3人は変な天使ドジエルから
「お前たちは男でも女でもない。
天使のミスで作られた、男しか愛せない
ヴァン・ローゼ族」と言われ、連れ去られます。

異世界召喚もの」であり、

ヤマトタケルVSジャンヌ・ダルクなど古今東西
偉人英雄がその世界で戦う。

・BLも百合もアリ。
・主人公は何もしなくてもモテモテ。

こう書くと今時のラノベみたいですが、
70年代の作品なんだから
青池先生の偉大さがわかろうというもの。

もっとも、モテモテとは言ってもキワモノ揃いで
自分から美形を口説きにいく百戦錬磨のゲイ、
バージルはともかく

「ゲテモノ受けする」と作中でも断言されてる
ジャスティンはノーマルなのに常にさらわれ、襲われ、
男からも女からも狙われます。

まともに女の子と恋愛したかと思えば悲恋に
終わったり、実は女装した男だったりと可哀想なことに。

ヒースに至っては、ニジンスキーという
白鳥に変身する、常に苦悩している変態に
惚れられてつきまとわれます。

(白鳥の姿はサッポーの呪いを受けたせいです)

このニジンスキーが『イブの息子たち』を
忘れられない作品にしている元凶……いや、
最高に個性的なキャラクターなのですが

彼の印象が強すぎて、モデルである本物の
天才バレエダンサー・ニジンスキーにまつわる
作品を見ても

「ヒース、わたしを見て……」
「苦苦苦、快感……」がよぎってしまう副作用が。

語りきれないので次回へ続きます。

 

イブの息子たち 1 (プリンセス・コミックスα)