昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

こいわ美保子『真夜中のシンデレラ』

『真夜中のシンデレラ』(81)
私生児でハーフの少女・瑠璃が周囲の人々を陥れ、
殺害してのし上がるお話です。

全1巻ですが、ものすごく記憶に残る作品でした。

可愛い絵の少女マンガなのに、
やってることはえげつない。

主人公が悪女というのは新鮮で、
当時繰り返し読んだ記憶があります。

瑠璃は両親を知らず、お金持ちの家で働く
祖母に育てられていました。

第一話では
その家の娘が持っていた人形
欲しさに屋敷に放火。

妻子を失って嘆く屋敷の主人の
養女にまんまとおさまるも、
娘は生存していました。

数年後、顔に大火傷を負い、記憶喪失の状態で
瑠璃と同じ学校に転入してきた娘を
生徒たちを誘導して苛めた挙句、騙して溺死させます。

第二話では

瑠璃は学園の生徒会長選挙に立候補しますが
そのためには最有力候補である、演劇部のホープ
学園きってのお嬢様が邪魔だったため

恋人とのキス写真を学校中にバラまいて
お嬢様を発狂に追い込むのでした。

第三話では瑠璃を一途に慕ってくれていた
友達に殺人現場を見られてしまい、
彼女も殺すことに。

とはいえ、ちゃんと悲しんでいるし
計画的に始末したのではなく、咄嗟に
叫ぶ彼女を黙らせようとしてのことなので

完全なサイコパスではないのがわかります。

第4話ではある男性と恋に落ちますが
それは実の父親でした……。
それを知るのは祖母だけだと、
瑠璃は祖母を殺してしまう。

この回では訪ねてきた記者によって、
養父が実の娘を瑠璃が殺害していたことに気づき

瑠璃を猟銃で撃とうとするがかえりうちに。
(ギリギリ事故とも言えなくもない)

父親は全てを知り、無理心中を決意
するような印象で終わります。

悪事によって一時的に幸せを手に入れても、
結局長くは続かないというテーマだったのでしょうか。

なかよしじゃなくて「なかよしデラックス」連載だったと
思いますが、なかデラは本誌なかよしとはまた
毛色の違う作品が多かったですね。

 現在絶版になってるので電子書籍
復活してくれないだろうか……。