昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

市東亮子『やじきた学園道中記』その1

やじきた学園道中記(82~)は、やじさんこと
矢島順子と、きたさんこと篠北令子のくされ縁の
二人が転校先でばったり再会しては、

その学校にまつわるトラブルを腕っぷしで解決する
アクションものです。
(そしてまた転校して以下ループ)

「一人二人は面倒だよ、束になってかかっといでッ」

セーラー服の美女二人が、キレのいい啖呵と共に
強面の男どもをバッタバッタと拳でなぎ倒す姿は
実に清々しい。

この当時は生徒会長が最高権力者とか影の番長とか
浮世離れした設定は珍しくありません。

しかし「やじきた」は特にそれが際立っていて
学園モノの皮をかぶった時代劇モノっぽくもある。

私が特に好きな日光編から例を挙げると

転入先の日光の山奥にある太郎山高校で、
お約束通りまた顔を合わせてしまう二人。

太郎山の生徒たちは自分たちで作った
畑で採れた野菜を売って、体育館を建てるのが
夢という、実に素朴な人たちばかり。

ところが、近辺の光徳学園の不良生徒たちが
太郎山の野菜はいい金になると知り、
脅して巻き上げていく。

抗議すれば畑に被害が出るため、大人しく
差し出すほかないという

なんだか時代劇の悪徳役人とお百姓さんです。

チンピラを相手にしてもキリがないからと
やじきたコンビは光徳学園で絶大な力を持つ
「奥日光の姫御前」に会いに行きます。

姫御前は学園前で大立ち回りを演じた二人を
気に入り、別の日に招待します。

この姫御前がまた曲者で、別名
「奥日光の妖怪変化」

時代劇のような口調で喋り、自分専用の
部屋や場所があるというのは当時には
よくある設定ですが

おしおき用の地下室が学校にあるって……。

やじさんを抱えて着物姿でふわりと
宙を飛んだシーンは「さすが妖怪……」と
妙に納得してしまいました。

やじさんに後で引っぱたかれて、
「笑ったら頬が痛い」と言った時には

(あ、普通の感覚があるんだ……)と
思ったくらいです。

イタズラ好きで困った人ですが
憎めない一面がある、不思議なキャラです。

次回に続きます。