少年マンガで女のパンティにこだわっていた頃、
少女マンガでは「プレーボーイ」たちが
ヒロインに強引に迫っていました。
70年代少女マンガはアメリカやヨーロッパの
映画やドラマの影響が強いのか
外国が舞台の作品が多く、男女共に
恋愛に積極的な描かれ方でした。
ただし主人公は人一倍奥手な設定で、必ず周囲に
恋愛に人生かけてるタイプが一人二人いて
「プレーボーイ」「プレーガール」と呼ばれていました。
一条ゆかり『9月のポピィ』(72~)では
「だましあいこそ恋のスリル
この勝負、ほれた方が負けって訳さ」
「私がこの学校にきたのは ボーイハントのためよ」
なんて台詞があり、
前原滋子『恋のA級ライセンス』(74~)でも
主人公チェリーナの相手役、エディが転校してきた理由が
ガールハントと明言されています。
日本人が言うと失笑ものですが、舞台がアメリカの学校で
アメリカ人のキャラの台詞ですから許容範囲でしょう。
神崎順子『プレーボーイなんてこわくない』(78年)
では、学園の人気者のプレーボーイ親子(教師と生徒)の
ウイリー先生とロビンが突然現れた美女にメロメロになり、
「あの子をおとしたほうがプレーボーイナンバー1だ」と
宣言、生徒たちは賭けを始めます。
ところが美女は、そばかすメガネの地味な少女ファニーが
姉の化粧品やカツラをいたずらし、化けたものでした。
素顔のファニーはロビンに想いを寄せており、
ロビンの方もいい子だと好意を抱いています。
だいたいオチは読めると思いますが、賭けのことがバレ、
ショックを受けて走り去ろうとするファニーと揉めてる間に
3人が湖に落ち、化粧とカツラが取れます。
皆の笑いものになったファニーが泣く中、
ロビンがファニーに告白、プレーボーイを返上します。
冴えないメガネ少女が初めて化粧して美女に大変身!とか
なんとも昭和らしいコテコテ展開がたまりません。
長くなるので次回に続きますが、このプレーボーイたちが
壁ドンの先駆者です。