なかよしに連載されていた3作品の総称です。
『黒の輪舞[ロンド]』(82年)
『黒の組曲』(83年)
『黒の迷宮』(84年)
共通点は舞台は外国で、魔女や黒ミサが登場すること。
可愛らしい少女漫画絵での殺人シーンとか
なかなかエグい内容です。それぞれ一巻完結。
一作目『黒の輪舞(ロンド)』は全寮制の学校が舞台。
寮は出自によって分けられており、
あからさまな差別がある。
最も身分が低い寮の女生徒たちはひそかに黒ミサを行っていて
体に星型のアザのある、「魔女の女王」
ブラッククィーンを探していた。
転入してきたヒロインは首の後ろに星型のアザがあり、
孤児であることを理由に
家柄のいい親友と引き離されて差別階級へ。
不思議な力を持つヒロインは
ブラッククィーンだと告げられるが
実は寂しさや不安によって念動力が発動する
一種のエスパーだというオチ。
2作目『黒の組曲』は幻のピアノ曲「黒の組曲」を
巡る物語です。
ヒロインの恋人はピアニストで、憧れの演奏家を
訪ねた際、猫に手を引っかかれたのをきっかけに
親しく付き合うようになる。
それと比例するようにヒロインに冷たくなっていくが、
実は演奏家は悪魔と契約し、若いピアニストの
肉体を乗っ取っていた。
それに気づくきっかけが、2人の間のおまじない
「ルガントラマンドラ トルガマンドルド」
ヒロインは仇を討ち、黒の組曲は永遠に失われる。
三作目『黒の迷宮』は記憶喪失の少女が資産家に
引き取られるが、それを妬む人間たちによって
「魔女アーロネッサ」が蘇ったと言われます。
炎が怖い少女は本気で不安になるものの、
「彼女は孤児で、住んでいた孤児院が火事で
焼け落ちて行方が分からなくなっていた」と
孤児院の先生を名乗る男に告げられる。
資産家夫婦の正式な養女となり、大団円かと思われたが
ラストで告発者は捕えられ、黒ミサに引き出される。
彼女は本物の魔女で、先生もグルだったのだ。
青ざめる告発者はそのまま生贄として殺害、
首を落とされる衝撃のオチ。
「なかよし」のラストページの端に
「すべてを賭けた愛の前には世の正義も虚しい。
恋人と再会したアーロネッサは今幸せに輝いて……」
と書いてあったのを何故か覚えています。
どれも印象深い作品です。