昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

ゆうきまさみ『白暮のクロニクル』その8

本作に限らず、創作物の
連続殺人犯やサイコパス系の
キャラクターは

意味ありげな言動をしつつ
なかなか正体を明かさず、
主人公たちや読者を惑わせる
のがお約束。

魁の前に現れた「羊殺し」も
魁の兄だと告げて立ち去ります。

彼は次のターゲットを
あかりに定めていて、

作中何度も出て来る
キーワードを呟きます。

「大きな羊は美しい」

これ自体は「美」という
漢字の成り立ちを説明
したものにすぎませんが

幾人もがこれを口にするため
誰が犯人OR協力者なのか、
魁にも読者にもわかりません。

(誰とは言わないけど)
作中で一番怪しい奴が実は
無関係と知った時は驚きました。

9巻ではいよいよ犯行期日の
クリスマスが迫ってきて、

焦る魁はあかりに
ぞんざいな態度を取って
怒らせてしまいます。

あかりは帰る最中、駅の階段から
落ちかけて野良オキナガの
美少年

「桔梗凪人」(ききょう
なぎと)に救われます。

少年はオキナガ登録を拒む
ものの、あかりには懐いて
何度も顔を見せたり、電話に
応じたりします。

竹ノ内さんと魁の会話で

五百年前、竹ノ内さんが
瀕死の少年「茜丸」を
オキナガにしたこと、

彼は生まれつき、人を殺して
楽しむ殺人鬼だったので
始末したと言います。

茜丸=桔梗凪人がここで
読者には明かされます。

その頃、インフルエンザが
世間に大流行。

感染しても発症はしない
オキナガがウィルスの
媒介者になることもあるので

あかりは職場を挙げて対応に
対応に追われます。

ネットでは「オキナガがウィルスを
ばらまいている」というデマが
流れていて、

オキナガたちはますます
苦境に追い込まれます。

しょっちゅう出入りしている
稟子を心配した唐沢さんが
やって来くるとか

久保園さんが愛妻家なことが
判明したのが数少ない和み……。

また、この巻では

「羊殺しのやり方は
クリスマスだけで、他の日は
別の殺し方をしてるかも?」

という疑惑が魁と谷名橋さんの
間で持ちあがり、

聞いてないようで聞いていた
唐沢さんが捜査に動き出す
伏線もあります。

続きはまたそのうちに。