昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

ゆうきまさみ『白暮のクロニクル』その7

念のため大雑把にあらすじ:

吸血鬼(的な存在の)探偵、
雪村魁と人間のワトソン役、
伏木あかりのミステリーもの。

8巻になるとクライマックスが
近づき、魁が長年追ってる
12年ごとの殺人鬼「羊殺し」が
本格的に動き始めます。

(ひつじ年に起きる事件
なので、そう呼ばれている)

女優・鈴木なえがオキナガに
なった経緯を二人に話します。

ある有名女優が殺されるのを
目撃、自分も犯人に殺害
されたはずが、生き返って
オキナガに……。

昭和18年、按察使邸
(あぜちてい)で起きた
女優殺人事件こそが

最初の「羊殺し」……!?と
物語の前提がひっくり返ります。

事件は何故か明らかにならず、
犯人は逃げおおせていました。

そしてその場には魁の
「血分けの親」であかりの
上司の竹之内さんも居たと
判明。

8巻で説明を聞くために
竹ノ内さんのマンションを
魁とあかりが訪れるのですが、

来客用のソファもテーブルも
何もないのが、彼の孤独な
生活を物語ってますね……。

あかり「真面目に話聞いて
くださいよ!」

「折角竹ノ内さんの
鉄面皮がはがれそう
なんですから!!」

それはフォローのつもり
なのか……?

9巻では按察使邸殺人事件の
鍵を握る重要人物がまだ
生存しているとわかり、

3人+久保園さんも交えて
病院に面会に行きます。

既に死亡した仲間二人が
自分の目の前で女優・

伊集幸絵(いじゅう
さちえ)を惨殺したと
他人事のように語る老人。

竹ノ内さんの一瞬垣間見せた
憤怒の表情が怖い。

伊集幸絵は当時の有名女優で、
竹ノ内さんは彼女の父親と
つき合いがあったので子供
時代から知っていました。

シングルマザーでオキナガに
なった彼女を心配し、

結婚しないかと提案した
直後の出来事でした……。

(竹ノ内さんは犯人たちに
殺されかけ、その血を瀕死の
鈴木なえが口にしたのでした)

それをなえに説明した
際のやり取り、

なえ「必ず次のチャンスを
つかんで大手を振って
映画に出て見せますから─

その時は観に来てくださいね。」

竹之内「喜んで。」

ここの穏やかな表情、
大好きです。

続きます。