昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

松井優征『暗殺教室』その2

明らかに化け物の教師を
隙あらば殺しにかかる生徒と
いう異常な教室が成立する
ためには、

当然人目につきにくい
場所が必要です。

そして生徒を即席の殺し屋に
されても学校側は受け入れるし、
生徒も了承せざるを得ない状況。

それが「学校公認で
見下していい落ちこぼれ集団」
通称「エンドのE組」設定でした。

第一話で暗殺者となるのは
生徒たちの中でメイン格の
潮田渚くん。

大人しく優しい、小柄で
中性的な美少年。

彼の視点とモノローグを通じて
世界観や設定の説明、
3年E組の生徒たちに共通する
悩みが描かれます。

E組行きが決まった途端、
友達が一斉に離れていったり
前の先生から暴言吐かれた
回想から

渚(先生にはわからないよね)

(認識さえされない
人間の気持ちなんて)

渚くんが抱える無力感と
悔しさが先生を前に
殺意に変ります。

渚(殺れるかもしれない

だってこの怪物“せんせい”にも
暗殺者“ぼく”の姿は
見えてないから)

物語開始早々からメインキャラが
自爆テロってガンダムWじゃ
ないんだから……。

しかし先生は渚くんを
ちゃんと見て、受け入れて
いました。

渚くんが見事に隙を
ついたことは褒めつつ

「ただし!寺坂君達は
渚君を

渚君は自分を大切に
しなかった
そんな生徒に暗殺する
資格はありません!」

暗殺とか殺すとか物騒な
単語を除くと、とっても
まともなこと言ってるのにな……。

そして第一話ラストで
殺せないから「殺せんせー」と
名前がつくのでした。

この後も生徒たち一人一人に
メイン回があり、それぞれの
悩みと暗殺に、先生が全力で
応えます。

暗殺とか触手とかトンデモな
設定を除くと、とても真っ当な
教師と生徒モノなのがミソ。

この当時(といっても
少し前のことですが)

男がカチューシャやヘアピンを
つけるのが漫画の中でも
珍しくなかったため、

渚くんの女の子のような
二つ結びもそこまで違和感は
ありませんでした。

まさかあの髪型に
そんな意味があったとは……。

そして先生の隙をつけたことが
後の伏線になろうとは……。

続きはまたそのうちに。