『夢の雫、黄金の鳥籠』(10~)は
16世紀のオスマン帝国皇帝・
スレイマン1世のハレムを主な
舞台に、主人公サーシャの
恋と成長を描いた作品です。
大雑把なあらすじは、ルテニアの
貧しい村娘サーシャは、
空や鳥に想いを馳せる夢見がちな
少女でした。
(本名はアレクサンドラで
愛称がサーシャ。ルテニアは
ウクライナ語系の地域のようです)
ところがある日、村はタタールの
襲撃を受け、サーシャは友達の
オーリャ共々攫われ、商人に
売られてしまいます。
逃亡を図ったサーシャはマテウスと
名乗るギリシャ商人に救われ、
買い取られます。
マテウスはサーシャに
「教養と知性を学ぶチャンスを
与える」
「それを活かして自由に生きるか、
惨めな一生を終えるかはおまえ次第」と
言うのでした。
連れて行かれた彼の家で、
教育係の女性から礼儀作法や
言葉を楽しんで学ぶサーシャ。
マテウスのハレムに入れるのかと
心ときめかせていましたが
「おまえをわたしの主に
献上する」
マテウスの正体は皇帝の信頼篤い
小姓頭、イブラヒムだったのです。
※本来、イスラムの成人男性は
必ずヒゲを生やしてるものですが、
女性向け恋愛漫画ですのでスルーで。
イブラヒムから「ヒュッレム」と
いう新しい名を貰い、
彼女は後宮に入ることに。
歴史モノであり、ハレムという
特殊な舞台設定があっても
「主人公が突然、過酷な環境に
放り込まれ、周りの意地悪にも
めげず、自分自身の努力や才能で
協力者たちも得て、成長していく」
という少女漫画の王道を
踏まえた作品です。
皇帝と床を共にした側室には
ご褒美が与えられるのですが
宝石でも金貨でもなく、小さな
小箱で周囲が侮る
→実は皇帝専用の図書館の鍵が
入ってた、というエピソードも
本来、教育書の役割もあった
少女漫画的です。
なお意地悪の一例=皇帝のお気に入り
だった側室が突然消えても、誰も何も
言わず、存在しなかったかのよう……
ヒュッレムも何度となく
命を狙われます。
続きます。