80年代は「権威や権力にはとりあえず
逆らうもの」という風潮が強かったためか
主人公もそういうものに対して反発します。
特に80年代後半の作品。
番長や不良が80年代前半で影を潜めたかと思えば
普通の立場のキャラが反骨心旺盛になりました。
『ダンクーガ』の忍以下、獣戦機隊メンバーは
士官学校出身なのに命令違反は日常茶飯事。
地球が危機的状況にあるのに、
ビンタや営倉入りで済ませてくれる
イゴール長官は優しい……。
『ミスター味っ子』ではカツ丼を褒めてくれた
老人が料理界の権威、味皇と知った時の
陽一の反応は
「ふーん くーだらない!!」
「味皇様なんて関係ないよ!!」
後で布団の中でひそかに喜んでるのが
可愛いところです。
『ガンダムZZ』のジュドーは故郷のコロニーが
貧しくて生活にかかる料金が値上がりしたため
両親の仕送りだけでは足りず、子供たちだけで
ジャンク屋で稼いでたので
「だから大人は……!」と
反発心や、虚勢を張りたい
気持ちがあるのは理解できます。
『美味しんぼ』の山岡士郎も反骨精神
旺盛な男として描かれていました。
そのわりには大会社のサラリーマンだとか
そんなツッコミはしない方向で。
「嘘つきな大人」と「純粋な若者」の
対立軸があった時代だからこそ
『ぼくらの七日間戦争』もヒットしたのでしょう。
(原作小説は85年、劇場版一作目が88年)
劇場アニメの予告で
「大人は嘘つきだ!」と叫んでるのが
何か懐かしい……。(遠い目)
当時は大人(親、学校教師など)が子供に
暴力を振るうのは当たり前でした。
昭和の子供たちは大した理由でもなく
拳骨やビンタをくらったものです。
現在は体罰には厳しくなってますし、不景気が
続いて(大人って大変だな……)と感じる
話題には事欠きません。
『銀の匙』での八軒くんと大川さんの
(気は合わなくても親からは)
「知恵と金は頂こう!」(意訳)
発言がすごく今時の子らしくていいですね。
拒絶や罵倒より、そっちの方が
お互いにとって幸せじゃないかな……。