昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

浦沢直樹(作画)『MASTER KEATON』

脚本:勝鹿北星長崎尚志

『MASTER KEATON』(マスターキートン 88~)
は、考古学者兼元英国SASサバイバル教官、
現在はロイズ保険会社調査員の三つの顔を持つ男、
平賀=キートン・太一の日常を描いた
アクション多めのマンガです。

98年にはテレビアニメ化されました。

キートンは日英ハーフで、父親が日本人。

一見うだつの上がらないサラリーマンのような
風貌で、性格はお人好しで温厚。
だいたいいつもスーツ姿です。

普段は軽んじられてるけど、実はハイスペックで
いざという時は誰よりも頼りになる男……という設定が
すごく青年誌らしい。

作品を大雑把に分類すると

1:ロイズの保険調査員としてのキートン
(探偵役だったり、マフィアと戦闘や駆け引きをする
アクションや頭脳戦多めの話)

個人間の愛憎による殺人はまだしも、麻薬、政治がらみ、
国境を越えての調査など命がけです。

2:考古学者としてのキートン
(世界史の新説など、知的好奇心を満たす話)

マイナーな学説を唱えているために、学者としては
碌な扱いを受けません。就活も一苦労です。

3:娘や両親、妻や友人、恩師などのキートン自身や
周囲の人々に関する話

幼なじみのチャーリーや相方のダニエルも
実にいいキャラです。

4:その他ゲストキャラが登場する人情話
(女探偵気取りでキートンを助手に引っ張り回す
Mrsバーナム回好きです)

複数を兼ねるお話や、娘の百合子、
キートンパパが主役の回もあります。

パパや恩師ユーリー先生をはじめとした、中年~老人
キャラたちが人生を楽しそうに謳歌してるのが
素敵です。

ハドソン元警部がエリツィン大統領に
そっくりなのが時代を感じます。

行き場をなくした元東ドイツスパイとか
チャウシェスクの隠し財産とかも
この年代ならではのエピソードですね。

だいたい一話、もしくは前後編の短編で
構成されているため何巻から読んでも
問題ありません。

 いろんな国の政治情勢や歴史・伝承などが登場し、
読んでると賢くなった気がする名作です。

MASTERキートン File1 [DVD]

MASTERキートン File1 [DVD]