『MASTER KEATON』(マスターキートン 88~)
は、考古学者兼元英国SASサバイバル教官、
現在はロイズ保険会社調査員の三つの顔を持つ男、
平賀=キートン・太一の日常を描いた
アクション多めのマンガです。
98年にはテレビアニメ化されました。
キートンは日英ハーフで、父親が日本人。
一見うだつの上がらないサラリーマンのような
風貌で、性格はお人好しで温厚。
だいたいいつもスーツ姿です。
普段は軽んじられてるけど、実はハイスペックで
いざという時は誰よりも頼りになる男……という設定が
すごく青年誌らしい。
作品を大雑把に分類すると
1:ロイズの保険調査員としてのキートン
(探偵役だったり、マフィアと戦闘や駆け引きをする
アクションや頭脳戦多めの話)
個人間の愛憎による殺人はまだしも、麻薬、政治がらみ、
国境を越えての調査など命がけです。
2:考古学者としてのキートン
(世界史の新説など、知的好奇心を満たす話)
マイナーな学説を唱えているために、学者としては
碌な扱いを受けません。就活も一苦労です。
3:娘や両親、妻や友人、恩師などのキートン自身や
周囲の人々に関する話
幼なじみのチャーリーや相方のダニエルも
実にいいキャラです。
4:その他ゲストキャラが登場する人情話
(女探偵気取りでキートンを助手に引っ張り回す
Mrsバーナム回好きです)
複数を兼ねるお話や、娘の百合子、
キートンパパが主役の回もあります。
パパや恩師ユーリー先生をはじめとした、中年~老人
キャラたちが人生を楽しそうに謳歌してるのが
素敵です。
ハドソン元警部がエリツィン大統領に
そっくりなのが時代を感じます。
行き場をなくした元東ドイツスパイとか
チャウシェスクの隠し財産とかも
この年代ならではのエピソードですね。
だいたい一話、もしくは前後編の短編で
構成されているため何巻から読んでも
問題ありません。
いろんな国の政治情勢や歴史・伝承などが登場し、
読んでると賢くなった気がする名作です。