昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

宇仁田ゆみ『うさぎドロップ』

うさぎドロップ(05~)は独身男の河地大吉が
祖父の葬式で出会った「かくし子」の少女鹿賀りんを
引き取り、共に暮らすお話です。

(以下、原作表記通りダイキチで)

りんも祖父そっくりなダイキチになついて
いるとはいえ、幼児との生活は
何もかもが戸惑いの連続。

また、幼稚園の送り迎えのために職場を移動する
ことで陰で文句を言われたりと

「突然、幼児の親代わりになる」ことは現実では
まずありえなくても、育児と仕事を両立させるため
四苦八苦する姿は実にリアル。

ダイキチの異動後の職場の同僚やパパ友たちが
すごくいいキャラで、基本ほんわかした雰囲気なのに
結構シビアなエピソードも多いです。

 序盤はダイキチのシングルファーザー奮闘記かと
思われましたが、幼稚園でやんちゃなコウキと
コウキの美人ママが登場。

(もしかして、ダイキチとコウキママが結婚して
家族になるかも……?)

第二部でりんとコウキは高校生になりますが
ダイキチは独身のまま。

(りんとコウキがくっつくのか……?
それとも今度こそダイキチとコウキママが……)

ところが、「りんがダイキチ祖父の娘ではない」と
判明、全ての前提が崩れます。

最終的にダイキチとりんが結ばれるオチは
賛否両論を巻き起こしました。

改めて読むと、最初からそうなるように伏線は
貼られているんですよね……。

りんの実母は「自分は母親の資格がない」と
自虐するあまり突き放したため、りんは母親
(=男女の愛)どんなものかもわからないまま。

また、コウキの自称彼女が嫌がらせに、りんのメール
アドレスや電話番号を執拗に出会い系に登録。

詳細は描かれませんが、りんがダイキチなどごく少数を
除いて男性不信になってもおかしくないエピソードです。

コウキママがシングルマザーだったり、ダイキチの従妹の
春子と娘の麗奈も離婚家庭だったりと
家族とは何かというテーマもあったのでしょう。

オチに納得いくかどうかで好き嫌いは分かれるでしょうが、
私は好きです。ダイキチ&りんには幸せになってほしい。