昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

大西巷一『乙女戦争』その3

『乙女戦争(ディーヴチー・ヴァ―ルカ)』
最終巻12巻、本日発売!!

というわけで記念に語ります。

※多少ぼかしますがネタバレがあるので
未読の方はご注意ください。

念のため説明しますと、15世紀ボヘミア
チェコ)の宗教戦争「フス戦争」を
描いた歴史モノです。

主人公はフス派の少女・シャールカ。

「笛」(ピーシュチャラ=銃)を抱えて数多の
戦場を掻い潜り、何度も死ぬ目に遭いながら
強く生き抜きます。

(死刑を逃れるため)仲の良かった貴族・
ヨハンとの間に娘クラーラをもうけたり、
川に落ちて記憶喪失になったり。

旅芸人の一座で踊り子兼娼婦として移動するうちに
フランスでジャンヌ・ダルクと出会い……。

巻末おまけ四コマでもツッ込まれてましたが
あれで無事生きてるのがすごい。

15年に渡るカトリック派VSフス派の
宗教戦争も、ようやく終わりが見えてきました。

しかし和平の条約を結ぶ際、過激な思想の持ち主が
反発して一番避けたかった方向へ、というのは
古今東西よくあることです。

戦争を終わらせるため、穏健派は敵だった
カトリックと組んで過激派を包囲することに。

そのお膳立てをしたのはシャールカでしたが、
死を決意した仲間を見捨てることができず
包囲網の中へ飛び込んで行ってしまいます。

直前まで「裏切り者は斬る」と言ってたのに
シャールカの顔を見た途端、クローニャが
大喜びで抱き着いてきた時は涙出ました。

全滅でもおかしくない状況なのでハラハラしましたが
さすがに何人かは生き残りました。

序盤から最大級の死亡フラグ立ってたのに、
ラウラはよくここまで戦ったよ……!

黒騎士は最期まで優しく義理堅い人でした。
シャールカを何度も助けてくれてありがとう……。

ヨハンもすっかり逞しくなって、ラウラも
大きくなって……(泣)

次回作『乙女戦争 外伝』も楽しみにしています。

 

また『乙女戦争』の元ネタはチェコの伝承に
本当にあったもので、

スメタナ「我が祖国」第三曲が「シャールカ」
という題なんだそうです(7巻巻末より)