昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

大西巷一『乙女戦争外伝Ⅰ 赤い瞳のヴィクトルカ』

『赤い瞳のヴィクトルカ』(19~)は
15世紀チェコで起きた宗教戦争
フス戦争を描いた漫画『乙女戦争』
(ディーヴチー・ヴァ―ルカ)の外伝。

※残酷なシーンや辛い展開が多いので
苦手な方にはおススメしません。

時系列的には今作がプロローグに当たります。

主人公は、生まれつき瞳が赤い
薄幸の少女ヴィクトルカ。
とはいえ彼女はきっかけに
すぎません。

(魔力や超能力を持ってるわけではないし、
それが原因での迫害もされてません)

メインはむしろ

1:『乙女戦争』序盤のキーマン、
傭兵隊長ジシュカが何故
フス派に肩入れしたのか。

2:画期的な戦術や
「天使隊」のアイデア
いかにして生まれたか。

そして当時のボヘミアチェコ)の
情勢が、ヴィクトルカの哀れな境遇を
中心に描かれます。

指導者フス火刑後のフス派の人々の
憤りと貧しい暮らしへの不満、

優柔不断な国王とやりたい放題の貴族・
腐敗したカトリック僧たちという
いつ蜂起が起きてもおかしくない
ぎりぎりの空気感。

娼婦だった母親の死で自らも娼婦と
なったヴィクトルカは流産の際、
死ぬ間際の母と同じ症状が
出ていることに気づきます。

もうすぐ死ぬと確信した彼女の言動は
周囲からは「恐れを知らない勇敢な娘」に
見え、

フス派の人々は彼女に導かれるように
武器を手に立ち上がるのでした。

彼らに興味を持ったジュシュカが
協力したものの、素人の集まりは
すぐに蹴散らされてしまいます。

しかしその敗北は彼に新たな
イデアをもたらすことに。

捕えられたヴィクトルカは
容赦ない異端審問にかけられます。

ラストでは幼なじみからのプロポーズと
司祭や周囲の祝福を受けてのハッピーエンドですが
……作者の趣味全開だなって……。

幸せな頃のシャールカや元気な
ターニャ、ヴラスタが見れて
嬉しいよ(逃避中)

次回はフニャディとイスクラさんが
メインだそうです!楽しみ!

イスクラさんはサーラと幸せに
なってないと許さん(何卒お願いします)

ところでわりと有名な世界史ジョーク
チェコでは政敵を窓から放り投げる」

……本当なんだ……。