『ひとりあそび』(18~)は傑作歴史ギャグ漫画
『快楽ヒストリエ』の作者、火鳥(ひとり)さんの
短編集。最新刊です。
「快楽天ビースト」以外にも様々な雑誌に
描いた読み切り作品が載ってます。
基本ギャグですが、ラブコメやファンタジー、
SFなどどれも発想が素晴らしく、一話のみでは
勿体ない設定や話ばかり。
ネタバレするのも惜しいので
いくつか大雑把に説明しますと
「ラプンツェルは塔の上」
童話でおなじみラプンツェルと王子と魔女の
話ですが、ラプンツェルの天然に振り回されて
王子が大変なことになる展開が秀逸です。
最後はほっこりと見せかけてオチも一ひねり。
「神ングアウト!」
片思いの相手に告白をためらう少女・
つぼみの元に現れた”愛を司る者”
「神だ」
つぼみ(よ……予想より格上~~~~ッ!!)
ちなみにこのキャラの立ちまくった神様は
後に『快楽ヒストリエ』にも登場します。
神「も~~っ このいくじなし!
たかが人の命をなんだと思っておる!!」
つぼみ「なんとも思ってないの!?神は!!」
キレキレのボケツッコミといい
テンポの良さといい表情の絶妙さといい、
もっと評価されるべき!!!
個人的にアナルアスリート後崎(しりざき)さんと
主治医の肛門科医JB先生の話が面白すぎて
声出して笑いました。
ただ一途に、筋肉(=肛門括約筋)を
鍛えるため、日々限界に挑戦し続ける姿は
アスリートの名にふさわしい……かも?
だらしない腹のヒゲのおじさんなのに、
やけに目が澄んでて髪と唇ツヤツヤという
絶妙なキモさも、一度見たら忘れられない
インパクトがあります。
第二話の(これだけ二話ある)
後崎「お久しぶりです先生……私の腸内から
魔法のランプを摘出していただけますか」
JB(状況が受け止めきれねえ)
のJB先生の顔が最高です。オチもすごい。
二人にはもっと活躍していただいて
「快楽天ビースト」を代表する名物キャラに
なってほしいと思います!
『快楽ヒストリエ』共々広く布教したい
作品です。相手を選ぶけども……!!