80年代後半になると、さすがにコミカルな
学園モノという縛りも消え、
何でもアリになっていきます。
黒岩よしひろ『変幻戦忍アスカ』(88年)は
現代に蘇った魔王・森蘭丸と配下たちを
倒す話でした。
あんな変なレオタードが
「プロテクター」って……とは
突っ込んではいけない。
この頃NHKアニメ『忍たま乱太郎』の
原作『落第忍者 乱太郎』(86年~)も
連載開始されます。
岡田あーみん『こいつら100%伝説』
(89年~)も二作とも舞台は戦国時代の
忍者です。
※ただし時代考証の正確さは対極。
「危脳丸」と書いて「あぶのうまる」と
読ませるセンスが実に素晴らしい……!
平松伸二『マーダーライセンス牙』
(89年~)は現代が舞台の忍者モノ。
板垣総理の懐刀の忍者・木場優児が主人公。
総理の主治医の美女「木場優子」でもあるという、
忍術で性別が変わる設定でした。
そして90年代に入っても忍者マンガは
作られ続け、もう一時の流行ではなく
一つのジャンルとしての地位を確立します。
個人的な推察ですが、70年代までは
海外や宇宙までもが舞台の
スケールの大きな作品が多かったのに、
80年代に入ると少年・少女漫画両方で
学園ラブコメが主流になりました。
そんな風潮の中、忍者というのは
話のスケールを広げる格好の
題材だったのではないでしょうか。
(エスパー、宇宙人、吸血鬼が学園に
転入してきて……というパターンも
多かった)
私も全てのマンガを読んだわけでは
ないですが、
どうもこの80年代に入っての
スケールが縮小した感じは
何なんだろうと今でも思っています。
80年代CMなんかは外国人が数多く
出演してますし、経済も好景気で
外国への憧れは強まっていたはず。
アニメの方もまだまだSFロボットアニメが
沢山作られてる時期なのに……。
詳しい事情をご存知の方、いませんか?