昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

倉尾宏『北斗の拳 世紀末ドラマ撮影伝』その8(5巻感想1)

※原案:武論尊原哲夫

第5巻、発売中です!!

記念に語ります。

詳細はボカしますが
ネタバレにご注意ください。

念のため解説:

80年代序盤を舞台に、
オリジナル実写ドラマ
北斗の拳』を

撮影するスタッフと
役者たちの、時に熱く、
時にコミカルな創作話。

※作中ではマンガの
北斗の拳』は存在して
いません。ここ大事。

前巻では悪役として
倒されるはずだった
ケンシロウの兄・トキが

俳優の事務所の意向で
レギュラー入りすることに
なり、

急遽「悪事を働いて
いたのは、トキに化けた
偽物」ということに。

ようやく本物のトキが
現れる……というシーンで
トキ役の大石さんが撮影中に
ケガをしてしまい……。

とりあえず「牢獄に
幽閉中」の設定を
活かして、当面の撮影は

スタントの人が獄中で
座戦組んでるシルエットで
しのぎます。

このエピソードのボスキャラ、
ウイグル獄長は鞭使い。

鞭をどこから出すか?で
監督が普通の方法では
なかなか納得しなかったり

いつもなら膨らんでの
爆死を、逆に折りたたまれる
ように死ぬとか、新たな
イデアを追及します。

個人的には獄長と言えば

「あ~~聞こえんなぁ~」

の台詞の方が印象深いです。

(リアルタイムで男子が
授業中にマネして怒られてた
記憶)

一方、撮影所に迷惑を
かけたと思い悩む大石さんは
心労が顔に出て、別人の
ように痩せこけてしまい……。

しかしシルエットで
顔は映ってないこと、

長い幽閉状態なら
そっちのが自然だと
言われてほっとします。

いっそ頭も白髪の方が
いい、とウィッグも
被せて

皆が知る「トキ」の
姿が完成します。

ところがまだケガが
治ってないため、予定の
アクションシーンが
成立せず……。

本作はプランAが諸事情で
不可能→ならプランBだ!

矛盾が発生→それを
フォローする新たな設定や
役者の神アドリブが誕生!

など、諦めずに大真面目に
切り替えていくところに
創作の熱さと勢い、

役者の成長までも描けて
るのが素晴らしい。

製作現場がこんなにも
本気をぶつけ合ってるなら
大ヒットするはずです。

折角だから続きます。