『鬼滅』7巻、下弦の壱トーマスが
見せる夢の中で、炭治郎たちが
煉獄さんを「兄貴ィ!!」と
呼んでたり、
同じく伊之助の夢では「親分」
だったのがなんか懐かしい
響き……と思ったので
それをテーマに語ってみます。
昭和の漫画の主人公は
「親分」と呼ばれるキャラが
多数いたものです。
代表格は
本宮ひろ志『男一匹ガキ大将』(68~)
戸川万吉(通称:万吉親分)
時代劇やヤクザものの影響かと
思われますが、この時代だと
ケンカの強いキャラや
主人公は「親分」。
それを慕う「子分」キャラは
同じ歳でも部下のような
扱い。
「~でヤス」「~でガス」などの
語尾で喋ったり、メガネや出っ歯・
小柄だったりといかにも格下な
外見を与えられていました。
「親分」「兄貴」に情報を与えたり、
見に周りの世話をしたりと
尽くし型のキャラも多いですね。
ギャグキャラだと「おやびん」
呼びになったりします。
しかし時代の流れか、次第に
上下関係は学校の先輩・後輩
くらいで、
「ダチ」「仲間」という
対等な関係になっていきます。
『聖闘士星矢』『北斗の拳』
『キン肉マン』など
80年代を代表するメジャー作品の
友情に上下関係はありません。
平成に入ってからの『ONE PIECE』
でも、ルフィが船長とはいっても
関係性は対等です。
※ただし族モノは上下・主従関係が
残っていて、
『荒くれKNIGHT』(95~)で
副長の牧さんが
「俺は善波五七十に仕えている」と
言ってたり、
『特攻天女』(95~)でも
高村が兵隊たちを従わせる
カリスマという描かれ方でした。
『天元突破グレンラガン』(06~)
ではカミナがシモンに「アニキと呼べ」と
言ってましたが彼も結構、古風な
キャラだから……。
ある人物に心酔した場合、
「親分(兄貴)と呼ばせてくれ!」と
自ら格下になる宣言するのはもう
時代劇とかギャグとかの様式美で
しかないのかもしれませんね。
今だと『呪術廻戦』の東堂のように
「兄弟」(ブラザー)呼びもありますが
何にしても呼び名一つで
関係性の違いが出るのも
面白いものです。