昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

D.キッサン『神作家・紫式部のありえない日々』その5(3巻感想1)

第三巻、発売中です!!

記念に語ります。

詳細はボカしますが
ネタバレにご注意ください。

前巻のお話:

中宮彰子に仕えながら
源氏物語』を書く藤式部。

ある日、弟から彼女の
娘の賢子(けんし)が
誘拐されたと告げられる……。

というわけで三巻冒頭は
娘を取り戻すエピソード。

誘拐犯は既に判明していて
以前から賢子に文を
贈っていた青年だと
乳母から聞かされます。

賢子は裳着(=当時の
成人年齢は12、3歳)
にも達してなかったので
無視していたこと、

「姫は責任を持って
お育てするので心配ご無用」
という手紙もあったと報告しながら

乳母の百草(もぐさ)
「この展開 なんか
既視感あるなって……」

藤式部「“若紫”……」

ピンと来てない弟と、知らない
読者のために「若紫」の
章が説明されます。

念のため要約すると

光源氏は義母・藤壺に似た
(彼女の姪にあたる)少女、
紫の君を誘拐同然に
引き取って育てはじめる。

賢子奪還はメタ的にも、
藤式部の立場的にもそんなに
手間暇かけられないので

「実は娘と乳母は超能力者」
というチート設定で何とか
します。

すごい能力なのにポンコツ感が
拭えないのはD.キッサン
作品ではよくあること……。

何にせよ賢子のもとに
辿り着き、誘拐犯と顔合わせ。

犯人は光源氏に憧れる
気弱な貴族の青年でした。

親兄弟や同僚からも
無能扱いされて辛い日々を
源氏物語』に癒され、

たまたま見かけたしっかり者の
少女への恋心と「若紫」を
重ねてしまい……という流れ。

賢子の母が作者とは知る由もなく。

話していると青年の父が登場。

当然責められるわけですが
普段の扱いが伺える言動に
賢子が憤ります。

自分のために怒ってくれた……と
感激する青年は、いつか貴方に
認めてもらえるよう、何があっても
へこたれないと誓うのでした。

いい話で終わったと思ったら
母娘で一緒に寝る際に

賢子「ママ友だち 
できたんだ よかったね」

藤式部「そうだね……
ママは友だちだと
思ってるけど

向こうはどうか
わからないよね……」

すっかり凹んだ藤式部は
宮仕えをやめようかと
言い出し……。

続きます。