昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

紫堂恭子『グラン・ローヴァ物語』その2

この物語は

「平凡な主人公が
すごい人と出会ったことを
きっかけに起きる出来事を
通じて成長していく」
タイプの物語です。

「すごい人」が一人で物事を
解決したら、主人公が
いる意味がないので
無力化されるのはお約束。

本作では旅の途中で
グラン・ローヴァは火の鳥
攫われてしまいます。

咄嗟に追いかけたらその間に
今度はイリューシアが
連れ去られたのが発覚。

苦悩するサイアムをよそに
グラン・ローヴァじいちゃんは

火の鳥の炎でマシュマロを
焼いて落とされかけていた……。

サイアムはイリューシア探しを
優先し、途中で現れたパナケアと
共に行方を追います。

この時パナケアが語った
「人間に言葉をもたらした
精霊・リンフィア」の存在は
物語の重要な鍵の一つ。

人間は言葉という「力」を得て
動物から脱却し、

文明を持つことができたが
そのために過ちも繰り返された。

銀晶球の力はそれに
あたるものなので
サイアムをどうすれば
いいのか?

パナケアは意味ありげに
問いかけます。

その頃グラン・ローヴァは
精霊の都に連れて行かれ、
リンフィアが閉じ込められて
いる水晶を見ていました。

精霊の王からサイアムが
銀晶球の力でこの世に
災いをもたらすなら

リンフィアのように幽閉
するしかないと言われますが
協力を拒否します。

一方、娼館に売られた
イリューシアは

そこの売れっ子娼婦に
気に入られ、彼女の機転で
早々と自由の身に。

サイアムとグラン・ローヴァ
以外の人間と、ろくに話した
こともなかったイリューシアは

人間のことを知ろうとも
しなかったと気付き、
改めてサイアムを守ろうと
決意するのでした。

ところでサイアムが得たのは
「銀晶球から力を引き出せる
能力」であって、

銀晶球そのものを
持ってるわけでは
ありません。ここ重要。

サイアムはイリューシアの
海に行きたいという願いを
叶えるため

彼女に銀晶球の力を分け与える
ことを約束し、次第にそれが
可能になります。

つまりサイアムは銀晶球の力を
コントロールできるように
なっていくわけで……

続きはまたそのうちに。