久しぶりなので大雑把にあらすじを
解説すると、病弱な妹・陽毬(ひまり)を
救うため、兄の男子高校生・晶馬と冠葉が
運命を乗り換えることができるアイテム
「ピングドラム」を見つけ出そうと
するお話です。
作中でのピングドラム=日記帳。
ヒロインの一人、ストーカー娘の荻野目苹果
(おぎのめ りんご)が所持。
晶馬はなんとか借りようとして
彼女に接触、振り回されるうちに
苹果の真意が次第に明かされていきます。
日記は彼女の姉・桃果(ももか)の
形見でした。
桃果はある事件に巻き込まれて死亡して
いましたが、不思議な力を持っていたのです。
苹果のストーカーの対象で
晶馬と冠葉の担任教師・多蕗桂樹や
その婚約者で有名舞台女優の時籠ゆりもまた
桃果を深く愛していました。
苹果は二人の間に割って入ろうと
晶馬を巻き込んで様々な計画を立てますが
毎回オチがつきます。
シュールで妙なノリのミュージカルや
ドタバタが、すごく幾原作品です。
ファビュラスなんて単語、時籠ゆりか
叶姉妹しか使わないよね……。
実は苹果は多蕗に恋愛感情があるわけでは
ないことが次第にわかってきます。
桃果の死を母親が受け入れられず、
苹果も愛してあげるべきだという
父親と意見が対立、家族は壊れてしまいます。
「自分が桃果になれば、家族は元に戻る」
苹果はそう思い込んでしまったのでした。
多蕗に執着するのも桃果と恋仲だった
から。(当時、両者10歳)
サイコストーカーが健気な少女に
がらりと印象が変わるってすごい。
虚しい空回りを経て、次第に晶馬へと
気持ちが傾いていきますが……。
家族が揃う苹果の大事な「カレーの日」=20日が
姉の月命日と知った時はゾッとしました。
(桃果の命日は冠葉、晶馬、苹果の
生まれた日でもある)
桃果の死因となった事件の首謀者は
現在行方不明の高倉家の両親でした。
被害者遺族と加害者家族の関係に
なってしまった苹果と晶馬たち。
晶馬は突き放そうとしますが、苹果は
高倉兄妹との関わりを諦めませんでした。
強い子です……。
続きはまた後日。