昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

紫堂恭子『グラン・ローヴァ物語』その1

グラン・ローヴァ物語
(89~)は人間と精霊・妖魔が
混在する中世ヨーロッパ風の
架空の世界を描いた、繊細で
美しいファンタジー作品です。

同作者の辺境警備シリーズと
リンクしていて、こちらの方が
二百年前の時代。

(片方知らなくても
問題ありません)

主人公はケチな詐欺師の
青年・サイアム。

「賢者」を名乗って
本で読んだ適当な知識を
披露しては

田舎貴族から一宿一飯を
せしめていました。

ある日、賢者の最長老
「放浪の賢者」

(=グラン・ローヴァ)が
近くに来ていると聞いて
慌てて飛び出します。

言いくるめて旅の
ルートを変更させたい、
そんな目的でしたが

食事中に寄ってきた
浮浪者の変な老人に
ご飯をあげたら
懐かれてしまい……。

実はこの老人こそ
「グラン・ローヴァ」
でした。

一緒に旅をするうちに
サイアムは様々な人や
人外の存在と出会い、
成長していきます。

・袋から泣き声がするので
誘拐された赤ん坊かと思って
連れて来た妖魔「イヌワラシ」

見た目は顔が邪悪な猫。

もうすぐ親離れするからと
その間サイアムが育児担当に
されます。

「デシ」と「ダシ」と
名付けられた二匹のうち
デシは巣立ちに成功しますが

ダシは人間に襲われた
痛みや怒りのせいで身体が
変化してしまい……。

・作中での最重要アイテム
人知を超えた力を持つ
「銀晶球」。

賢者の集まり「賢人会議」に
見つかったグラン・ローヴァは、
銀晶球を探して無事に保管
してほしいと頼まれます。

・ヒロインでもある
巨大な水蛇(ハイドラ)の
イリューシア。

(表紙の)美少女の
姿は仮の姿。

人間が増えすぎた世界は
大気の力が薄まり、
人ならざる身には生きづらく
なったので

銀晶球の力で、妖魔や
精霊が昔通りに暮らせる
「世界の果て」に行くのが
目的でした。

・謎の男「パナケア」

目元以外ほとんど布で
覆い隠した謎の人物。

初登場からサイアムを
見下していました。

ある時、アクシデントで
サイアムは銀晶球に繋がる
力を得てしまい、様々な
災難が降りかかるように……。

続きます。