この作品は1巻で銀河帝国の
歴史がじっくりと描かれ、
名前のある登場人物の数が
尋常じゃなく出てくるほどに
綿密に作り込まれています。
政治劇、宮廷劇などの
「戦いに至るまで」から
戦闘、戦闘の後に双方に
及ぼした影響などにリアルさが
あるのは作者が史学科卒だから?
そういう作中のディテールが
重要なのは言うまでも
ありませんが
やはりヒットする作品は
キャラ同士の関係性が
何より大事。
SF、政治、戦争、やけに
長い名前と難解な用語が
連続しながらも
男女問わず長く大人気なのは
ラインハルトやヤンだけでなく
周囲のキャラクターと
関係性が魅力的だからです。
ラインハルトは姉の
アンネローゼも重要ですが
何より親友キルヒアイスとの
関係性。
気性の激しいラインハルトを
優しく支える理解者だった
キルヒアイス。
ラインハルトもキルヒアイスの
進言をいつでも素直に聞き入れて
いたのに……。
「双璧」ことミッターマイヤーと
ロイエンタールのコンビも
そうですが
切ない結末だからこそ
彼らの友情は読者の心を
捕えて離さないのでしょう。
ヤンは養子のしっかり者の
少年、ユリアンとの関係性と
(どっちが保護者か
わからないとまで言われている)
気心知れた仲間たちとの
軽口の叩き合いが楽しい。
士官学校の後輩のアッテンボローや
先輩のキャゼルヌをはじめとして
誰もかれも遠慮なく
毒舌と皮肉を言いたい放題。
私は同盟派なので外伝2巻
『ユリアン・ミンツの
イゼルローン日誌』は
学生時代、毎日のように
読んでたものです。
基本的にはシリアスな話の中で
ボケツッコミやギャグ、
和みを担当しながらも
有能さはしっかり描かれて
いるのがいい。
ニッセンコラボのTシャツも
一時期部屋着で愛用してました。
アッテンボローの名言
「伊達と酔狂~」を英語に
してあるやつ。
また出ないかな……。
ちなみに外伝は奇数巻が帝国、
偶数巻が同盟メインです。
続きはまたそのうちに。
注:十代のうちに銀英伝にハマると
黒歴史が生まれがちなので
そこはお気を付け下さい。
(思い出して転がり中)