昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

岩明均『ヒストリエ』その4

アレクサンドロスがじわじわと
出番を増やしていくのと並行して、

主人公エウメネスマケドニアでの
順調な無茶振り出世が描かれます。

・騎乗訓練

・将棋を王に教える

・故郷カルディアにマケドニア
先遣として派遣される

(上の立場でヘカタイオスと
三度目の再会)

マケドニアVSアテネの海戦

・敗北直後にスキタイとの戦争

直後、近くの蛮族から急襲され
王が負傷。

軍が混乱する最中、エウメネス
(居候先の)アッタロス将軍の名を
借りて指揮を摂り、軍を立て直す。

マケドニアの文官のトップ、
アンティパトロスの要請で
アテネの有力者フォーキオンと面会。

気難しい人物として有名なので
面会にこぎつけるのも、
会ってどうするかもかなりの難題。

その際、ひそかに手助けした
人物「メランティオス」は
かつて奴隷だったカロンでした。

自由民になったカロンは今や
アテネに隣接する町の有力者と
なっていました。

二人が再会した回、去っていくエウメネス
「我が子」と内心で呼びかけ、

見送るカロンのモノローグは
こみあげてくるものがあります。

(帰途でマケドニア軍に合流)
マケドニアVSアテネの陸戦に参加。

ここでは書記官として王の傍で
報告したり記録したりと
活躍こそしませんが、

冷静な観察眼が持ち味の彼が
語り手としていることに意義があります。

 上記の様々をそつなくこなしてたら、
そりゃ王の「左腕」(武官のトップ)に
なれと言われるわけです。

しかしそれは、ひそかに恋を育んできた
アッタロスの娘のエウリュディケとの
別れを意味していました。

巨大な権限を託される立場の人物が
マケドニア名門貴族の一員となっては
政治のバランスがおかしくなるからと

エウリュディケはフィリポス2世の
第七王妃に迎えられることに。

いっそ国を出ようかと思うエウメネス
でしたが、彼女がオリュンピアス王妃に
命を狙われた際に王にそれとなく進言、

オリュンピアス王妃は故郷に帰る
ことになりますが……。

続きはまたそのうちに。

淡々としてるのに目が離せない
傑作です。

ヒストリエ(9) (アフタヌーンコミックス)

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