昭和のオカルトには「超能力」も
欠かせません。
1971年、心霊研究家であり、ESP研究家でも
ある中岡俊哉による『テレパシー入門』を
皮切りに、超能力に関する本が大量に出版され、
1974年に「スプーン曲げ」で話題になった
ユリ・ゲラーが来日、ブームは更に過熱します。
超能力を扱うマンガも沢山出てきました。
主人公の男女の双子ジュデェスとジュディスの
うち、男のジュデェスの天才的なカンは
超能力ではないかと諜報機関に狙われます。
コマ外にエスパー(超能力を持ってる人のこと)
と説明があるので、まだエスパーという単語が
一般的でなかった頃なのでしょう。
こち亀でも4年に一度、オリンピックの年に
登場する超能力警官・日暮巡査がいますね。
藤子不二雄『エスパー魔美』(77~)
吾妻ひでお『ななこSOS』(80~)
のように、日常を舞台にした
美少女エスパーものから
雑誌潰し『超人ロック』(67~)
のように宇宙規模なものまで
スケールは様々です。
『風魔の小次郎』(82~)では
超能力戦士と書いてサイキックソルジャーの
飛鳥武蔵と竜魔がいました。
超能力を使える忍者で、4千年の時を越えて
戦い続ける聖剣の戦士で
二つ名が独眼竜って設定盛りすぎじゃないか
竜魔……。
まつもと泉『きまぐれオレンジロード』(84~)
では主人公・春日恭介の一家全員超能力者。
超能力と書いて「ちから」とルビが
振られているのが独特でした。
楽に二股かけるために超能力を使うなよ……。
『涼宮ハルヒ』シリーズでは
超能力者・小泉一樹(いつき)がいます。
今は超能力とはあえて言わず、
「スタンド能力」「アルター能力」など
別の言い方をする場合が多いですね。
忘れられたオカルトも、現役のものも、
マンガのネタになってくれてありがとう。
ところで『ムー』が今年40周年なんですね。
ノストラダムスも超能力も心霊写真もこの雑誌では
現在進行形……。ずっとこのままでいてほしい。