昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

『怪奇大作戦』第五話「死神の子守歌」

大雑把なあらすじは、若い女性を
氷漬けにする連続殺人が発生。

犯行現場を意味ありげに眺める女、
歌手の高木京子を三沢が追う。

遺体から放射線が検出されていたため
牧は研究者を訪ね、現在行方不明の
吉野という科学者が捜査線上に浮かぶ。

吉野は妹・京子の白血病を治すため「スペクトル
G線」発生装置を人体実験していた……。

『怪奇』の中でも秀逸な回です。実相時監督回だし。

歌の歌詞に合わせた見立て殺人という
古典的なミステリー要素+

人間を一瞬で氷漬けにする装置という
超科学なのがこの作品らしい。

キーワードになる歌は彼女の持ち歌で
マザーグースが元ネタです。

「♪10人の娘が旅をした
滝にうたれて一人目が死んだ

9人の娘が旅をした
橋から落ちて二人目が死んだ……」

初めて観た時は(こんな辛気臭い歌が
売れてるだと……!?)と思いました。

実は60~70年代、暗い流行歌が結構あると
知ったのはだいぶ後です。

なおこの音源は失われたそうで、サントラにも
収録されていません。もったいない!!

この回の最大の萌えどころは、

牧さんが「吉野くん、話し合おう」と
おっかなびっくり話してる場面です。

妹を救いたいという気持ちはわかるし
科学者同士分かり合えるに違いない、
と思ってはいても

相手は強力な殺人兵器を持っているので
腰がひけてる姿が妙に可愛い。

吉野が警官隊に追いかけ回される場面が
やけに長いのは、当時の学生運動
重ねているからだそうです。

妹の白血病も広島での体内被曝が原因
だったりと、社会問題も織り込まれています。

吉野が逮捕され、見送る牧さんの悲しげな表情もいい。

 

なお吉野役の草野大悟さんと、牧さんこと
岸田森さんは同じ劇団出身。

71年の『鬼平犯科帳』第二期

4、5話(前後編)『狐火』で、殺し合う
盗賊の異母兄弟を演じたり

71年公開の実相時監督の映画
曼陀羅』で岸田さんがカルト思想集団の指導者役、
草野さんがその部下です。

エロスとカオスとシュールの三位一体に
頭がおかしくなりそうな映画です(大絶賛)

「怪奇大作戦」の挑戦

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