昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

柿崎普美『悪魔は眠らない』

『悪魔は眠らない』(81年~)は
悪魔マリアに体に棲みつかれているヒロイン
一美(ひとみ)の前に

不思議な力を持つ青年・翔が現れ、マリアを退治し、
一美を護ろうとするホラー作品です。

マリアは最初は優しい精霊のような存在でしたが、
やがてその恐ろしい本性を露わに。

人々の憎しみを操り、醜い化け物に変え
何度も一美と翔にけしかけます。

特に演劇部部長の高飛車お嬢様の

膨れ上がった頭部、ひん剥いたような大きな目玉は
今見ると宇宙人か某妖怪人間の亜種にも
見えますが、

なまじ髪があったり、服着てるから変に人間らしさが
残ってるのが余計に気持ちが悪い……!!

更に容赦なく繰り広げられるグロ場面。

首が落ち、目玉が飛び出るショッキングな流血シーンは
繊細な少女漫画絵だと尚更インパクトがあります。

 

同作者のSFホラー『吸血樹』で寄生生物ゾラに
寄生された人間が溶けるシーンや、首のない死体が
触手をうねうねさせながら襲いかかるシーンと合わせて
小学生にはトラウマものでした。

 

なおあとがきでも触れてましたが、翔はマリアと対極の
存在なので、マリアを葬れる力は持ってますが

何か特別な訓練をしたわけでも、指導してくれる
人もなく、能力を使うのも初めての手さぐり状態。

そりゃ後手後手に回ろうというものです。


表紙折り返し部分に「ファンタジック・ホラー」と
説明書きがあるように、この人のマンガは

ホラーと言うにはファンタジー色が強く、
『悪魔は眠らない』『吸血樹』

ファンタジーと言うにはホラー要素も入る
『ブラッディ・マリィ』
という独特の作風です。

『白い手の殺意』は普通のホラーかな……。

 

「普通の目立たないヒロインに実はすごい秘密が
あって、謎の美青年が彼女を守ってくれる」

と書くと、実にロマンのあるお話ですが

・男も女も容赦なくひどい目に遭う。
・大流血して死にかける。
・化け物の策略で、ヒロインこそが元凶のように
思い込んだ人々に詰め寄られる。

そこは覚悟してお楽しみください。