75年作品。原作は佐山哲郎。
胸に毒蜘蛛タランチュラのあざを持つ主人公・蘭は男装して
南米行きの探検隊に参加しますが、
ブラジルに着いた直後、不気味な呪術師(マクンバ)の
イマオンに命を狙われ、謎の美青年ロワに救われます。
探検隊の目的地であるエルドラド=タランチュラ王国は
ダイヤを産出する土地でもありました。
実は蘭はその国の王妃となる宿命を持ち、
あざがその証拠だったのです。
そのため彼女はタランチュラ側、侵略者側、
双方から連れ去られそうになったり、
襲われたりと散々な目に遭いますが、
最終的には王国に残り、運命の相手である
タランチュラの王・ロワと結ばれるのでした。
簡単に説明するとそんなお話ですが、
一巻だけなのにとても濃い内容です。
南米の密林の奥深くにマヤ文明よりも
古くから存在し、
大自然と毒蜘蛛に護られた神秘のエルドラド……。
実にロマンですね。
高階作品の男性キャラは、神秘的だったり
翳があったりして色気があるタイプが多く、
このロワは前者です。
(あと『はるかなるレムリアより』の
ナーガラージャもそう)
蘭がなかなか宿命を受け入れられないのを
優しく見守ってくれるいい人でした。
ラスボスのイマオンが持っている干し首の
ついた杖が、子供の頃すごく怖かった……。
なおマクンバはアフリカから南米に売られた
奴隷たちが信仰していたブードゥー教と、
現地の宗教が混ざったものだそうです。