昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

高階良子『タランチュラのくちづけ』

75年作品。原作は佐山哲郎

胸に毒蜘蛛タランチュラのあざを持つ主人公・蘭は男装して
南米行きの探検隊に参加しますが、

ブラジルに着いた直後、不気味な呪術師(マクンバ)の
イマオンに命を狙われ、謎の美青年ロワに救われます。

探検隊の目的地であるエルドラド=タランチュラ王国は
ダイヤを産出する土地でもありました。

実は蘭はその国の王妃となる宿命を持ち、
あざがその証拠だったのです。

そのため彼女はタランチュラ側、侵略者側、
双方から連れ去られそうになったり、
襲われたりと散々な目に遭いますが、

最終的には王国に残り、運命の相手である
タランチュラの王・ロワと結ばれるのでした。

 

簡単に説明するとそんなお話ですが、
一巻だけなのにとても濃い内容です。

南米の密林の奥深くにマヤ文明よりも
古くから存在し、
大自然と毒蜘蛛に護られた神秘のエルドラド……。
実にロマンですね。


高階作品の男性キャラは、神秘的だったり
翳があったりして色気があるタイプが多く、
このロワは前者です。
(あと『はるかなるレムリアより』
ナーガラージャもそう)

蘭がなかなか宿命を受け入れられないのを
優しく見守ってくれるいい人でした。

ラスボスのイマオンが持っている干し首の
ついた杖が、子供の頃すごく怖かった……。

なおマクンバはアフリカから南米に売られた
奴隷たちが信仰していたブードゥー教と、
現地の宗教が混ざったものだそうです。